私達が向かった場所は『The Internetshop』と書かれた所。中に入ると早速トレインさんがパソコンの前に座りディスクを入れる。が、画面に出てきたのは"データが読み取れません"という文字だった。
「…どーゆーこった?」
「このパソコンでは読み取れないのかな?」
「そのパソコンがトレインの事嫌いなんじゃない?」
「イ、イヴちゃん…」
「すっかり機嫌をそこねちまったな…」
顔をそむけるイヴちゃんを見ながらトレインさんが呟く。理由はさっきの事だろうけど…どうにかして機嫌を直していただきたい。
どうしたらいいのだろうと考えていたら「…やっぱりな。いきなり行き詰まってやがる」と聞いた事がある声が聞こえて、そちらに顔を向けるとそこには彼…リバーさんがいた。
「カミナリ頭!」
「リバーさん!」
「そいつはパソコン用のCDーROMじゃねぇよ。家庭用ゲーム機のソフトだ」
「ゲーム?」
リバーさんがディスクを取り出し裏面を見せる。赤いコーティングがされていて、これは"プレイギューブ"というゲーム機のソフトの印だと言った。そっか、だからパソコンではデータが読み取れませんって出たんだ。
「わざわざこの事を教えに来たのか?」
「…そーだよ。てめーに掃除屋同盟に参加してもらわねーとリベンジできねーからな。俺が負けっぱなしで納得すると思ったら大間違いだぜ」
トレインさんにディスクを渡し、そう告げるリバーさん。イヴちゃんがまだ決闘をする気なのかと尋ねるがリバーさんはそんな気は無いと答える。
「よくわかったからな。今の黒猫は心底掃除屋だって事は。だから次はまっとーな掃除屋としての勝負だ!どっちが先にクリードを捕まえるか、でな!どうだ?」
「…受けて立つぜ」
良かった、そういう決闘で。殺し合いなんて本当嫌だよ。それにもしもそのような闘いになったら私は絶対に勝てないけど意地でも止める為にリバーさんと闘うつもりだったから。…そんなの、嫌だもんね。
「?…明、そんなに俺の事を見てどうした?」
「いえ、何でもないです」
「そうか?…てっきり黒猫から俺にしたのかと思ったぜ」
「え、ちょ、何言ってるんですか…!?」
私がじっと見つめていたからか、不思議そうに顔を覗いてきて楽しそうに笑ってとんでもない事を言うリバーさん。慌てて人差し指を立てて言わないで下さいという意味を込めて自分の口に当てる。そんな言い方をされたら完璧にトレインさんに私の気持ちがバレてしまう。後ろのトレインさんは一体どんな表情でどんな風に思っているのだろう。怖くて見れない。
「…トレイン?」
「わっ…!?」
「!」
グッと両肩を掴まれて後ろに引っ張られてリバーさんから体を離される。力的にイヴちゃんじゃない。トレインさん、だ。
見上げるとトレインさんの顔。一気に顔が熱くなって胸の鼓動が速くなる。ち、ちちち、近いっ…!
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