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10 赤髪ロングと黒髪美少女


「一護おおおおおおおお!!!」

『「!?」』


昼休み、いつものように黒崎くんと沖田くんとご飯を食べていたら、教室のドアが勢いよく開けられてすごい大きな声がした。
驚いている私や黒崎くんを他所に、沖田くんは気にせず、黒崎くんのお弁当から唐揚げをパクり。


「なんっだよ、恋次かよ」

「なんだよ、じゃねぇ!!」

「恋次!他所のクラスであまり騒ぐ出ない!」


入ってきたのは赤くて長い髪を高く結んでいる男子生徒と黒髪の美少女。
この学校は女子のレベルが高いな、と思っているとその子の視線が向けられてドキッとした。


「一護、こちらは?」

『あ、えっと、この間転校してきた苗字名前です。
よろしくお願いします。』

「ああ、そういえば、一護のクラスに来たのだったな、
朽木ルキアだ
…よろしくお願いいたしますわ」


「え?」と思いもよらない朽木さんの挨拶に目を見開いていると、赤い髪の人と黒崎くんがため息をついた。


「あー、気にすんな
こいつん家金持ちでなんかその…たまに変な常識が備わってんだよ」

「なっ!どこが変だと言うのか!!
これは私が少女漫画を読んで勉強した…」

「あーはいはい、分かった分かった」


「なんだその態度は!!」「だあーから、分かったって言ってんだろ!」微塵も思いもしないことを言うな!!」というような黒崎くんと朽木さんのやり取りに笑っていると、今度は赤い髪の人と目があった。


『あ、えっと…よろしくお願いしますね』

「ん?ああ、俺は阿散井恋j…ってうお!!!」

「こんなヤツとよろしくすることなんてありやせんぜぇ」


赤い髪の人もとい阿散井さんにソッとてを差し出して握手を求めたのだけれど、阿散井さんが手を伸ばしてきた瞬間、今まで黙って見ていた沖田くんが急に現れた。
そして、阿散井さんの横腹に蹴りを1つ。


『ええ!?ちょ、ちょっと沖田くん!?』

「大丈夫ですかぃ?このロン毛パイナップル野郎に何かされやせんでしたかぃ?」

『わ、私よりも阿散井さんが…』


大丈夫だろうか、と彼を見ると大きな体がゆっくりと起き上がった。


「…沖田…てめぇ…!!」

「あれ?おかしいですねぇ…さっき駆除したはずのカス野郎がまだこんな所に」

「っ、ぶっ殺す!!」


何やら険悪な雰囲気の二人におろおろとしていると、いつの間にか言い合いをやめていた黒崎くんと朽木さんが呆れたように口を開いた。


「ほっとけよ、いつもの事だ」

「全く、恋次のヤツめ…」


はあっと息をはく二人に「いつもの事?」と首を傾げると、黒崎くんが頷き返してくれた。


「うちの学校の剣道部って特殊でよ、二つあるんだよ」

『2つ?』

「片方は恋次やルキアのいる方で、もう片方は総悟がいる方な」

『どうして一緒にしないの?』

「まぁ、そこはいろいろあんだろ、あんまよくは知らねぇけどな」


「そっか、」と返しながら未だににらみ会う二人を見ると、痺れを切らした朽木さんが阿散井さんの頭を叩いた。


「いつまでやっとるつもりだ!!」

「な、先に喧嘩売ってきたのはアッチだろーが!」

「俺は害虫駆除をしようとしただけでさぁ」


「喧嘩なんて売ってやせん」とそっぽを向いた沖田くん。
それにまた怒る阿散井くんを諌める朽木さん。
なんだか収集がつかないなぁ、と考えていると、ふと何かを思い出したように阿散井くんが「あ、」と声をだした。


「忘れるとこだったぜ…てめぇ一護!!
見学に来るっつー約束はどうした!!」

「ん?あー…そういえば…」

「一護、まさか貴様…兄上との約束を忘れてたなどとふざけた事を言うつもりか…?」


今まで比較的大人しいタイプだと思っていた朽木さんの目がギラリと光る。
ビクッと体を揺らしたのはあたしだけでなく黒崎くんもだった。


「きょ、今日だ!今日いくつもりだったんだよ!」

「…本当に?」

「お、おう」


じっと黒崎くんを睨んだあと、はぁっと息を吐いた朽木さんはようやく元の朽木さんに戻った。
なんだか私まで睨まれた気分になるくらい鋭い視線だった。


「ならば、今日こそはちゃんと来るのだぞ」

「…一護、てめぇもし来なかったりしたら…」

「わあったつの!ちゃんと行くよ!」


ジロリと睨んでくる二人に大きく返した黒崎くんの隣で苦笑いをした。


「たく、アイツらしつけーな…って…ああ!!てめぇ!総悟!!何人の弁当空にしてんだよ!!」

「俺じゃありやせん」

「んなわけあるか!!てめぇ元に戻せ!」

「…本当に戻して(吐いて)欲しいんですかい?」

「…購買行ってくるわ」


はぁっと肩を落として購買に向かう黒崎くんの姿に戻ってきたら、特別に家から持ってきたお菓子を分けてあげようと密かに思った。

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