ほんの少しの星屑で
(いち)
何回目だろう、この虚無感を味わうのは。
何処にもいない。
誰もいない。
もぬけの殻なそういう場所に、何度拳を叩きつけただろう。
「またハズレ?」
「『また』って何だ、『また』って。 次は向こうの港だ、行くぞ」
「定春、行くヨー」
「わん!」
事前に調べるとか出来ないの?という問いには、坂田さんの舌打ちが返ってきた。
「俺だって思ってんだよ、そんな事は。ヅラが最新の情報だっていうんだから、それを信じて近いトコからしらみ潰しにやってくしかねぇだろ」
「…少人数部隊だと思えば致し方ない事かねぇ…」
溜め息を吐けば、もう一度舌打ちが聞こえた。
あぁ、なんて悪循環なんだろう。
ハズレくじを引かされた気分ってのは、本当に嫌になる。
次こそは。
そう思いながら、俺は定春に跨がった神楽ちゃんの後ろに飛び乗った。
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