ヘンゼルとグレーテル

01


 昔むかしあるところに、ヘンゼルとグレーテルという、仲の良い兄妹がいました。

 その年は夏だというのにとても寒く、人々は飢餓に苦しんでいました。
 ヘンゼルとグレーテルの家でも、毎日のパンを買うことすら大変な日々を過ごしていました。

 今日も靴下を編むため、暖炉に火も入っていない広間で兄妹はふたりで寄り添っています。

「ん…。は、ぁむ…っ」
「ぁん…ヘンゼル、もっと…」

 ヘンゼルとグレーテルは仲が良過ぎて、いつもキスをしていました。

「ん…っ、あ…ねえヘンゼル…?」

 幼い容姿に不釣り合いなほどの色香を漂わせて、グレーテルはヘンゼルの胸にそっと手を這わせます。
 それからその手が、するすると兄の股間へと滑ります。

「擦りっこ、しようよ…」

 目を潤ませて言う妹の手に、ヘンゼルは自分のそれを重ねました。

「いいけど…。言っておくけど、グレーテル。僕は『下』にはならないよ」
「…ヘンゼルのケチ。いいじゃん、キモチイイらしいよ?」
「だったらグレーテルがやれば?」
「ヤだよ。僕は挿れたいんだもん」
「お下品」
「ヘンゼルだって結局はそーゆーことでしょ?」
「……」
「……」

 互いになんとなく黙ると、グレーテルは手をどけ、深く息を吐きました。

「あー…エッチしたいなぁ…」


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