09




「あー…締まる…。またナカでイけ…麻倉」

 ずちゅッ! ばちゅんッ! ずちゅッずちゅッ!

「あっぁっヤ…! ぁんっ、ぁッゃ…っ!」


 激しく抽送を続ける。自分の絶頂のためというよりも、獲物を再び快楽の渦に叩き込み狂わせるために。

 既にぐしょぐしょだったシーツに新しいローションが散り、淫猥な粘液の水音が部屋に響く。

 つまりベッドに脚を繋がれ、先輩刑事のア○ルに取り締まるべき男のペ○スが抜き挿ししている光景をかぶりつきで見つめている後輩の耳にも。


「せ、先輩…」


「っ!」

 きゅうぅんっ

 その後輩のたったひと言の呟きが、麻倉を掻き乱す。…木築の行為よりも。


「見られて感じてんのか…締めつけやがって」
「ん、んんぅ゙…っ」

 幼子のように首を振るが、蹂躙された肉壁が悦んで牡に吸い付く。


 後輩の存在を意識する事で緊張感を増した狭い肉へねじ込み、割り開いた。木築の牡のカタチと味を覚え直させる。

 調教する。


 ずりゅずりゅとナカを擦り上げ、更に狂わせる一点を探った。


「はっぁ…!!」

 躯が跳ね上がった。後輩の目の前で麻倉の性器も跳ね、ぴゅッと愛液が弧を描く。


 ごく、と今井の喉仏が動くのを確認して、木築はそのはしたない場所を丁寧に扱き潰した。


「ひぃ…っ、っぁ、はっ! んっんぅ゙…!」


 途中で嬌声を押さえるために左手が口許に移る。だが性器は恥ずかしい粘液をシーツに撒き散らしているから、誰の目から見ても快感を得ているのは明らかだ。


「ココが悦いか? それとも奥までたっぷりぶち込まれる方が好みか」
「っふぅ…ッ、ふぅゔ…!」
「そうか」

 必死で首を振る麻倉に短く返す。


 そして最奥から蕾までをしっかり撫で擦るストロークへ戻した。全身が震えて、足の指が握られる。


「見せてやれよ、コウハイに。ケツ掘られてイくところ」
「んん゙ん…! ん゙ン゙…!」

「お前も教えてやれよ、センパイに。突かれるたびに我慢汁俺の顔に飛んでますってよ」
「んなッ!」
「ん゙ん゙ゥ…ッ!?」


 真っ赤な顔で麻倉が半身を起こし、今井は茹蛸のような顔で音がしそうなほどぶんぶんと首を振って否定した。


「とっ飛んで来てないです! 顔にまでは!」
「…ッ!!」

 あまりにも想定通りの馬鹿の回答に、麻倉のナカが締まり木築はほくそ笑む。


 蹂躙に蹂躙を重ねられ、加えて羞恥と恥辱に精神を擦り減らされて、最後のひと押しとばかりに肉のぶつかる音を立てて犯され、麻倉の躯は限界を迎えた。



「〜〜〜〜っっ!!」

 何度か味わった感覚。今まで知らなかった絶頂の『味』。



 涙が溢れて、同時に箍が外れる。

 温かい粘液が性器から噴き出して、そしてそれは精液ではない知識。


 蝕まれ続ける甘く激しい痺れと、…終わらない刺激。


「っは…ッ! っぁ、ア、っ待っ、ぁ…ッッ、ま、て…ッ、待ッ!」

 唯一自由になる左手で、少しでも動きを邪魔したくて木築の腕を掴んだが、なにひとつ変わらなかった。

 獣のように犯され続ける。

 擦れるところが燃えるみたいに熱くて疼いて、抜かれると挿れて欲しくて、止められると動かして欲しくて堪らなくなる。頭が、馬鹿になる。

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