only me

08


 カラダん中に、他人の一部が這入って来る感覚。
 嫌なのにゆっくりとナカを擦られると、下腹やら腰やら脚の先がゾクゾクしてぞわぞわして、涙が浮いた。

「ぃぁ…っ、ぁ…っ、ま、ましま、ぬい…っ、抜い…」
「痛くないだろ、みゆき」
「ぁッ…ぁ、た、たく、ね、けど…っ、へん、なる…っ」

 吐きそう、という感覚にも似ているのに、じんじんして熱くなった躯は真島の指を悦んでるみたいな、そんな違和感。

「ぁ、ぁ…ッ、ゃ、ま、ましまぁ…っ」

 浅いところを入念に解すみたいに、ゆっくり丁寧に真島は指を動かして、俺は必死で首を振る。獣みたいな吐息を懸命に両手で押さえる。視界はすっかり潤んで、なにがなんだかもう分からない。

「ゃめ、やめ、ろ…っ、」

 ヌチ…ヌチ…

「ぅん? 誰にモノ言っ──」
「ゃああ…ッ、ケツ、ぐちゃぐちゃすんの、やめろぉ…っ」

 ぴた。

「ぁ…は、ぁ…?」

 真島の指が止まる。でも入ったままで、ジンジンする。ヒクヒクする感覚があって、真島の指の形が分かるような気になってきて、どんどん顔に熱が上がってきた。
 けど動くと擦れるから、動けない。

 なにこれ、地獄じゃね? いや、えーとえーと? 俺これまた真島にオアズケしたか?

「ぁ…ま、ましま…、ぁ、と…ん、んん…っ、」

 混乱する頭をフル回転させて、言葉を探す。

 指止めてくれてありがとう?
 それともごめんな?

 いやなんで俺が謝らんねぇといけねぇんだ。いいから指抜けこのバカ。


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