君が好きだから

08



――嫌ッ…嫌っ…!

「ゅ、たぁ…ッ」

 俺は必死で夕隆を呼ぶ。ドロドロになった指先をぺろりと舐めていた夕隆が、「ん?」と俺に顔を近付ける。

 たたん、たたん、たたん。

「も…っ、マジ、げんかぃ…っ」

 このまま続けられたら、イってしまう。
 電車の中で。見知らぬおっさんに見られながら。
 嫌だ。そんなのは絶対に嫌だ。

「…も…やめ、て…」
「…。自覚、した?」

 なにを。

 咄嗟に出かかった言葉を飲み込む。嘘でもとにかく今は頷かないと、本気でイく。
 何故なら、夕隆は俺が懇願してる間にも俺のイイトコロの周りをゆっくりマッサージしているからだ。その中心のシコリをぐっと押された途端、俺は確実に電車内で射精してしまう。

「ッし、た、からぁ…っ」
「…。分かった」

 夕隆はやっと応じると、アソコを弄っていた手を止めた。その片手で器用にティッシュを取り出し、アソコを拭い始める。

 良かった、やめてくれたみたいだ。

 そう思って俺が安堵し、力を抜いた途端。


「――ッ!!」


 躯の奥から揺さぶられる感覚に、俺は一瞬たりとも耐える隙を与えられず、射精した。
 ティッシュでアソコの先を覆いながら、夕隆がイイトコロを押し潰すどころかバイブみたいに震わせながら擦り上げやがったのだ。

 ガクガクと躯がいっそ笑えるくらいに勝手に震えて、俺のアソコは精液を最後の1滴まで夕隆の掌のティッシュに注いだ。イってるのに刺激をやめてくれなくて、俺はだいぶ長い間イき続けた。

「あのままじゃつらかったろ?」

 平然と言う夕隆に、俺はくたりと躯を預ける。

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