ヒトガキ

05



「こんなに居るんだ。あまりイかないで体力を残しておいてもらわないとね」
「い、いや…ッ、はな、放せ、触るな…っ! 外せよっ…!」

 パニックのあまり言葉が支離滅裂になっているが、当然夕樹はそれどころではない。
 半勃ちの今なら、苦もなく外せるはずなのだ。今しか、ない。

 車内には一般の乗客もいるらしいので、声は一応潜めてはいるのだが、夕樹から見える限りは、そんな客はいないように見える。
 ほぼ真っ裸の夕樹の姿に、違和感を覚えている風な人間は見当たらなかった。

「外して、お漏らしせずに皆のち○ぽをココに咥えられるかい?」
「ッぁ…?!」

 クニクニと秘孔を指で押されて、ビクッ、と躯が跳ねた。
 以前の痴漢行為を思い出す。秘孔を掻き回したのは、指だけだった。

(今…ち、ち○ぽとか言わなかった…?)

 つまり、今度こそア○ルセックスを、こんなところで実行するつもりなのだ。
 しかも、この人数を相手にしろと言う。

 夕樹は目の前が真っ白になる心地がした。

 嫌だ。
 こんな、見ず知らずの他人に躯を弄ばれて《快感》なんて感じてしまっているだけでも絶望に値するのに。
 絶対嫌だ。

「ぃ、いや…ッ、無理…!」

 ぶんぶん首を振ると、主犯はニタリと品のない笑みを浮かべた。

「ほら、お漏らしするだろう? だからリングつけとこうな」

 なあ、夕樹くん。周囲の誰かが名を呼んだ。鞄に書いた名前でも見られたのだろう。

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