アクマノサカナ

08


 気を失った氷晴を、叔父は王から取り返し、服をきちんと着せて、看ていてくれたらしい。

――ってことは、僕、叔父さんに蛸にヤられてるとこ、見られた?!

 かぁあ、と顔を赤くする氷晴の心境を察したのか、叔父が気まずげに顔を逸らした。

――僕、すっごい恥ずかしいこと口走ってなかったっけ…!!

 徐々に思い出して、氷晴は蛸のように茹った顔を、抱えた膝に埋めた。

――信じらんない…!!

 もういやだ消えたいとか思う氷晴の、しかし躯は実に素直だった。

 乳首が、触られた硬さを思い出す。
 ペ○スが、締められたぬめりを思い出す。
 ア○ルが、入れられた激しさを思い出す。

「…っ」

 疼き始めてしまった躯に、氷晴は泣きたくなった。

「っ…、叔父さん…」
「う、うん?」

 呼ぶと叔父は、困ったような声で氷晴を見た。氷晴は顔も上げずに続ける。

「…僕、次はあいつ、絶対に連れて帰りたい」
「つ、次って」
「僕、…漁師になる。あいつ、絶対、もっかい捕まえてやる」
「…! そ、そうか! そうだな、仕返ししてやらんとな!」

 叔父は顔を輝かせ、氷晴は躯を熱くさせた。


 捕まえて。
 もっかい。
 もっかいだけ、ヤッたら。
 きっと、きっと。

 この熱も、収まってくれるだろう…。



end.

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