犬が尻尾を振るとき 07 「ぼ、く…犬の、ペニスで、気持ちよくなるの、いや、なんです…っ」 涙ながらに訴える。 犬の性器で感じるなど、人間としてありたくない。 と。 ぐぐッ 「ぅあっ?! ぁ、やっ…! おっき…っ?!」 犬の性器の根元が、膨張した。性器を抜き挿しすることもなく、ただ身体を反転させて、シラの蕾を塞ぐ。 「ぁあッ、ゃ、やだ、ぬ、いて下さっ…!」 思わず犬相手にすら、染み付いた丁寧語になってしまう。 男が楽しげに笑った。 「おやおや、そっちの子はまだ犬の習性が強く残っているようだな」 男の声に呼応するように、背中に被さった犬の吐息が大きく聞こえる。 くちゃッ、くちゃッと音を立てて性器を舐められ、蕾には熱い精を注ぎ込まれたままで。 ビクン、ビクン、と腰が跳ねる。ぱたぱたと自らの尻尾が揺れる。 「ぁふぅ…っんぁ、やぁ…やめ、て、くらさ…あぁ…っ」 ぺたりと耳が頭につく。 確実に欲は募って、吐精したいと思うのに、犬の薄い舌に舐められているだけではもどかしくてイけない。 蕾への刺激も、貫かれたままで動こうともしない犬の性器が、狂おしい。 もっと直接的な、もっと激しい刺激が、欲しい。 しかし、どうしても相手は犬だ。ねだるなんて出来ないし、恥も誇りも捨ててねだったところで、望むものが与えられるとは限らない。 [*前] | [次#] 『幻想世界』目次へ / 品書へ |