前述。

04



「親莫迦、かな…」

 これだけ刺胞を打たれておきながら。思って苦笑が浮くが、少しだけ期待もしてしまう。

「ネオ…?」

 小さく呼ぶと、触手はまた柔らかく頬を撫でた。

 刺胞を打ち込まれた身体に、痛みや痺れは今のところないが、やや弛緩している気がする。力が入らない。

「ネオ、…俺のこと、判る?」
 もう一度触手が触れる。
「俺を、食べる?」
 触手は頬を離れ、うねった。『イイエ』だろうか。
「食べ、ない?」
 再び頬に触手が触れる。

「…うーん…」

 総合して考えるに、ネオはじゃれている、と思うのが妥当だろうか。
 下着に潜り込む感触が気持ち悪くてたまらないが、意思があるならば躾ければなくなる行為かもしれない。刺胞も同じだ。

 それよりも人語を解しているらしいネオに、今更ながら嬉しくなった。

「ネオっ、すごいぞ! お前、すごい!」
 とりあえず褒める。

 だが、思いに反し、ずちゅう…、と触手が動き、性器が締め付けられた。

「んぁあ?! ぁッ…ネ、オ、だめ…っ」

 双丘の谷間を、違う触手が擦り上げる。躯中を撫で回し、臍や乳首にも群がる。

 濡れた感覚に、皮膚は過敏な反応をしてしまう。ビクン、と震える躯を、慶壱は抑えられない。

「ぅあっ…ぁ、ちが、これが、すごいんじゃ、なくて、ぇ…ッ! ぁ、やめて、だめ…ッゃ…反応、しちゃ…ぅ…ッ」

 ぐいと持ち上げられて、慶壱の身体は不安定に宙吊りにされてしまった。
 開かされた股間は、潜り込んだ触手で衣服が大きく盛り上がり動き、慶壱は顔を赤らめる。

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