君が判りません・後篇

01


 また夜が明けた。

 昨夜は俺が目を覚まして、風呂に入ったり食事をしたり、どうにか人間的な生活をしたが、当然のように帰ることは許されなかった。
 『お仕置き』は、まだ続くらしい。
 現に、俺の服は下着に至るまで全てどこかに隠されている。もしかしたら、捨てられたのかもしれない。

 俺は隣で眠る後藤をそっと窺った。

 さすがに昨夜は…乳首を散々噛んで吸って舐めて、で済んだが。…うぅ、なんだか思い出すと敏感になる気がする…。

 無防備に瞼を伏せる後藤は、歳相応の少年で。
 俺をあんなに苛むような奴には見えない。

「…」

 それでも。
 滅茶苦茶に犯されて蕩かされても、後藤を好きかと言えば、やっぱりノーだろう。
 俺は男だし、きっと逃げ切れるものなら、迷うことなく逃げる。

「あいしてる、か…」

 自分が繰り返す、嘘くさい台詞。逃げる為の言い訳。後藤も当然気付いているだろう。

 ふぅと息を吐いて、寝返りを打って後藤に背を向けた途端、いきなり抱き締められた。

「ッ?」
「おはよ、せんせ」
「お前ッ…起きて…っゥ、んんっ…」
「先生、俺今日は先生の手料理が食べたい」

 乳首をこね、首筋に何度もキスを落としながら後藤がのたまう。
 俺が身動ぎする度に、尻に後藤のイチモツが擦れて、体温が上がる。

「ぁ、ぅ…ぁ、ぁっ…」
「いい? 先生」
「ぁん…っわ、わか、判った、からッ…」

 徐々に後藤の性器が硬くなっていくのを、これ以上感じたくなかった。

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