DA-DA

03



「『先生』な。なんだ?」

 修正しつつも言いなりになるその無防備な背中。細身だが筋肉質なその背から手を回し、胸の辺りをまさぐった。

「なッ!? おいきさ──、」

 ピンッ、と偶然中指の爪が『それ』を弾いて、

「ッんぅ!!」

 がくんっ、と能間の躯が跳ねた。少し遅れて、じわわわ、と耳や首筋が赤く染まっていく。顔を上げないところが生々しい。


 ぞくぞくと嗜虐心が煽られるのを感じる。

(マジで…感じてんのかコレで…)


 正直。ヒくかと自分でも思っていた。でも、明らかに乳首で感じた能間の姿から、目が離せない自分が居た。



 昨日の、痴漢されていた彼。

 ──あの姿を、また見たかったのだと。
 …気付いてしまった。



 どうしようか迷っているのだろうか。沈黙したまま丸められた能間の背中を、平均台を跨ぐように座り直して抱き締めた。
 いや、単に痴漢行為を働くために距離を詰めただけだ。

「ん…っ」

 ぷくッ、とすぐ指先に突起が触れた。
 肩に顎を乗せ、赤らんだ首筋にゆっくりと舌を這わせる。汗の味がする。

「ひッ!? やめっ!! ッん、んゥ…っ」

 抵抗は一瞬。夏用の薄いシャツの上からすりすりと乳首を擦ると「っ、んゥ…!」如実に能間の腰が揺れた。シャツを押さえて更に重点的に擦り上げると、ほんのり赤っぽい突起が透けて主張してくる。

「は、ぁう…ッ、っん、んんぅ…っ」

 この嬌声を耐える癖は、痴漢に調教されたからか。いらいらと腹の奥の感情がまた鎌首をもたげる。


「乳首そんなに感じんの?」
「ッんゥ…!」


 ふぅっと首筋から耳に掛けて息を吹き込む。たったそれだけでビクンと能間の躯が跳ねた。


「こういうの好きなワケ? 変態」
「ちっ、違う! ゃっ、やめてくれ、頼むからっ…!」
「じゃあもう俺に口出しすんなよ。そしたらやめてやる」

「っそ、それはできない…っ!」

「はぁ?」



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