もう耐えられません

07


 俺はとにかく唇を噛み締めてトばないようにしながら、彼を睨んだ。荒い吐息が漏れる。彼は困ったように笑った。


「俺、せんせのエッロいトロ顔見たいんだよね。アイツのち○こ欲しがって腰振りたくってる教師失格のあの顔。俺あの顔好き」
「ッ…!」

 ちゅこっ、ちゅこっ、


 ギリギリ。更に噛む力を籠める。

「あのトロ顔で俺に犯されてるとこ、アイツに届けたいわけ。我慢キツいっしょ? いいよ? 無理しなくて。それとも」

 言い掛けて後藤の兄は3本目の注射器を俺の鼻先に突き付けた。



「脅されてたのに完ッ全に調教されて、ご主人様以外には感じないよう頑張る忠犬になってんの? それか、マジで『あいしてる』から操立てしてんの?」

 笑える。

 冷えた声音が吐き棄てる。



「…──」

 俺は、…答えられなかった。
 『どっち』なんだ? 確かにここで、耐える理由は。


 …ある!! 普通に!!


「後藤のことは、関係ない…っ、ただ、ッはぁ…っ、俺が…ッ! こんな、手段を取る貴方の思い通りに、なりたくない、…ッふ、ぅ…それだけだ!」

 言ってやった。
 本気で躯は限界だけど、言いたいことだけは。

 俺の背後で屈強な男達がざわっと慄いたのが伝わる。俺に、じゃない。後藤の兄の機嫌を損ねることを恐れたのだろう。

 けれど、兄は「あはっ」笑って、注射器のキャップを外した。

「いいね、せんせ。そういうの大好き。じゃあ先生が狂うのが先か、それとも折れて腰振るのが先か、遊ぼうぜ」
「ん゛ゥ…!!」

 3本目のぬるい薬液が直腸へ直接注入されたとき、ちょうど後藤と連絡が繋がった。
 兄はうきうきと俺の姿を後藤に共有して、場所を告げた。迎えにおいでよ、と。

「ほら見ろよ愚弟くん。すっげー先走りっしょ。ココんとこ揉むとめちゃくちゃビクビクすんの。カワイーねぇお前の大好きなせんせ」
「んぁッ、ぁ、ッあ…ぐ、ゃ、めろ…っ」

 陰嚢を揉み上げられると、大写しにされた俺の性器が玩具みたいに跳ね回る。


『誠一…! これ以上先生に触るな…』
「えー。でもこぉんなにギンギンに勃っててさ、つらそーだから俺健気にずーっと手コキしてんのに、全然イかねぇの。まあ俺が薬盛ったからこんなにサカってんだけどさ。前立腺? ってヤツも散々弄ってみたんだけどさ、歯ぁ食い縛って悶えるだけでさぁ」

 ちゅこっ、ちゅこっ、ちゅこっ、
 くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、

「ッふ…! ふ、ゥ…! ん、ん゛…ッ」


 椅子の拘束の所為で、俺の足はもちろん閉じることなどできない。

 後藤の兄の言うように、ア○ルに指を挿れられてナカのイイトコロは、一本目の注射の後から何度も一切の遠慮なく押し潰し弾き擦られていた。

 手淫されながらまた指でナカを探られて、俺は走り抜ける電撃みたいな快感を、唇を噛み締めてやり過ごす。

 感じていない、とは、言えないだろう。
 薬をたっぷり飲まされたア○ルは指を挿れられるだけでもあまく痺れて、掻き回されると一瞬で足先までぴんと伸びで内腿が痙攣する。

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