これって変ですか?

01


 
 今日は職員会議があるから、放課後は無理だ。

 昼休みに告げたときには、分かりましたと後藤も大人しく頷いた。
 長引いた会議と、明日の準備を済ませて駐車場に向かったときには、外は暗くなりかけていて。

 だから自分の車の陰にしゃがみ込んでいた姿に身体を強張らせたのは、仕方ないと思う。

「お疲れ様、先生」
「ご、後藤…」

 なにをしているんだ、とは訊けなかった。もはや彼がなにを企んでいるのか、訊く必要もない。
 …いや、訊いた方がいいのかもしれない。じゃないと後藤はまた勝手な勘違いをする。

「…な、なにしてるんだ…?」
「なにって、先生を待ってたんだよ? ねぇ先生。待ってる間調べたけど、先生の車って後部座席倒して広くできるよね?」

 嫌な予感しかしない。

「せ、生徒は乗せない、ぞ」
「あは。それ、今更俺に言うの?」

 今更だ。後藤が見せてくる携帯には、大きく股を開かされた俺の姿が映し出される。慌ててそれを隠そうと携帯に手を伸ばすが、あっさりと避けられる。

「動画もあるよ、青木せんせ?」

 相も変わらず、逃げられるはずもなかった。






 ちゅ…ちゅくっ…

「ん…」


 倒したリアシートの上、ほとんど押し倒すようにして後藤がキスを降らせてくる。
 最初こそ抵抗した俺も、熱い吐息が躯を満たしてぬるりと熱い舌が自分の舌に絡まってくる感覚に、ぞくぞくと腰を這う快感に抗えなくなってくる。

 だめだ。本当に、もう、からだ、が。

 ちゅっ、

「先生、かわいい…」
「っお前の目は、ほんとどうにかしてる…っ」


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