小説

異説【クロッカス。・デイ】 3


 
嗚呼
そろそろ“フリ”も飽きたな。

「やだね。俺さ、犯るつもりで来たんだよな。だってお前あんまり可愛いから」
「は・・・?」
「だーかーらー、俺、見てたんだって、お前が他の野郎とSEXしてるの」
「・・・!!」

カァ、と一瞬で渉の顔が赤に染まる。
へぇ?言葉攻めも有り、と。

「キモチよーく喘がせたげるから、大丈夫大丈夫」

何が大丈夫なのかは俺にもわかんないけど?
言い終わるなり抵抗する暇を与えずネクタイで後ろ手に縛り上げる。
シャツに手をかけて・・・勢いよく引き裂く。
無残にもブチブチと音を立ててボタンが千切れ飛ぶ。
思ったよりもずっと綺麗な肉付きをした身体に、ごくりと喉がなる。
ヤバイ、これは・・・。

「ごめん、手加減できないかも?」

言いつつ首元に吸い付く。
赤い“所有印”を刻み、にやりと笑みを浮かべる。

「んっ、おまっ・・・・」

後のことを言おうとするその口を塞ぐ。
執拗に口内を舐め上げ、舌先をからめとった。

「んっ」


あぁもう
煽ってくれるなよ・・・




さほど持たずにイってしまったのは
お前のせいだって!!


***


ぐったりと横たわる渉の首もとの赤い華。
もう、これできっと俺のものだ。

かってな優越感に浸りながら、俺はもう一度キスを落とした。


END

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