小説

異説【クロッカス。・デイ】 1


初めて彼に会ったのは、ピアノを弾こうかと音楽室に行ったときのこと。
先生はノリばかりの人でよく鍵をかけ忘れている。
そんな時を狙って何度目かに訪れた、その日のことだった。

「うわ、人いるし・・・」

人と関わるのはあまり好きではない俺は周りから距離を置いていた。
だからそこに、渉がいた時正直嫌だなと思った。

「こっちの台詞だっての。何の用事だよ」

このまま立ち去るのもなんだし、とピアノを弾きにきたことを告げると、奴の目が変わった。

「弾けんの?どーゆーんを弾いてんの?」

好奇心に満ちた瞳はまるで子供の様だった。
一目惚れではないが、またあまり知らない奴を好きになったのはたしかだった。


***


この前渉が犯されているのを見た。
この時間帯なら渉いるかな、と思って来たときだった。

「ぁっ・・・ぐ」

堪えているその表情がエロくて、魅了された。
そして、俺のココロに一つの欲が生まれた。



―――渉ヲ、犯シタイ




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