in 【音楽室】

滝沢 影二の場合 6


 漏れる吐息さえ飲み込むような、激しいキスへと移っていく内に、抗おうと、突き飛ばそうと影二の肩を押していた渉の指がシャツを握って、まるで縋るような格好になった。

「ッは、…ンな可愛いことされたら、歯止め効かなくなんじゃん…」

 ちゅぱ、と下唇を食みながらキスを終えて、腰の動きを早くする。

 自らの愛液で滑りが良くなっていて、ぐちゃぐちゃ女のように音を立てながらするピストンが、たまらなくいやらしい。

「ぅあ! ぁ、あ、あ、ひ、ぃぁ…ッ!」
「渉チャン、ほんと超かわいーじゃん。今きもちーんだろー? すっげエロい顔してる」
「や、ぁ…っ、み、な…っ、見んなぁ…ッ!」

 いやいやと頭を振る子供っぽい仕草にさえ、煽られる。

(俺、結構渉チャンにイカレちまってる…?)

 ちゃらちゃらとなにもかもを軽薄に渡ってきた影二だから、こんなにぐちゃぐちゃに犯したいと、こんなに影二以外を見れなくなってしまえばいいと願う相手が現れるなんて思いもしなかった。

(いやいや、これは遊んでるだけだから。あの琴羽を苛め抜ける機会なんてないから)

 ふるりと自分でも頭を振りながら、影二は少しだけ渉と躯を離す。

 グチャグチャでとろとろになった結合部。
 お互いの温度がひとつになって、穿って締め付けて。
 視線を上げれば、ひくひくと小さくしゃくり上げる渉と、そんな様子に不釣り合いなくらいに勃起した彼のペ○ス。

(…まあいいか、とりあえず今は)

 難しいことはあとで考えればいい。

 影二はシャツを脱ぐと、自らの下腹で渉のペ○スを扱くようにしながら、激しく突き上げた。

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