小説

受side 08


 
「ぁ…ぁ、…ぁ…っ、…っはぁッ! はあっ!」
「お、イったね〜」

 全てが通り過ぎて、俺は椅子の背もたれにぐったりと躯を預ける。呑気な男の声。
 すぐに、俺の腹の上になんだか熱い液体がぶち撒かれた。相手も、イったのだろう。

 俺はどうやら、空イキとやらを、してしまったようだ。
 タイムアップは、告げられていない。

 絶望が頭を埋めて、そこに少年の声が追い討ちを掛けた。

「お疲れ様、渉さん」
――わた、る…?

 目隠しが外される。見開いた俺の目に映ったのは、ぐったりと床に伏せ、アッシュグレーの髪の少年に頭を撫でられている、裸の、渉。
 少年とさっきの男は、性器を出していなくて。

「ぅ…そ…ッ」

 目隠しを外した男は、言葉もない俺の腹に散った精液を指で掬って、俺の唇に塗りつけた。

「どうだった? 大切なお友達とのセックスは。激しく乱れてたね? あんなにケツだけでイけるなんて、素質あるよ…」

 囁き続ける男の声は、俺には届かない。
 自失する俺の前で、少年が、気を失った渉とキスをした。


end.

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