「Hallo, Alice.
Will kommen zum wunder land!」

「…はい?」

 何を言った?この猫は。
そしてここは一体どこ?

ぼーっと学校へ向けて歩いていたはずの私はいつの間にか見知らぬうっそうとした森の中にいました。
そして私の目の前にはやたらでかい猫。
照れたように頬をかく仕草は人間のよう。
…というか人の言葉話してるよね。
まったく、わけがわからないよ。

「あれ、違ったかな…今度こそドイツ語圏だと思ったのに。
――Hi, Alice. Welcome to the wonderland!」

「日本語でおk。」

 ついこぼれてしまった突っ込みを聞き取ったらしい猫はパァァッと効果音が付いていてもおかしくない笑顔を見せた。
…まぁ、そんなものに動じる私ではないけれども。

「なんだ、次のアリスは日本語圏の子だったんだね!
まぁ、日本語なんて日本人しかしゃべらないから日本人か。
また辺鄙なところにアリスがいたもんだ。」

 腕を組んでうんうんとうなずく猫にイライラがつのる。
いっそ殴ってやろうかと物騒なことを考えていれば猫はゴホン、とありきたりな咳払いをして笑った。

「やあ、アリス。
不思議の国へようこそ!」


……えーと、

「……………はい?」

「おや?キミはアリスだろう?
間違ってないよね?」

「……はぁ、まぁ。
珠が有ると書いてアリスですけど。」

「なら無問題!行こうか。五番目のアリスと六番目のアリスが待っているよ。」

そう言ってやたらでかい猫は私の手を引いて歩き出す。
……二足歩行で。

てか、六番目のアリスとかなんのネタだよ小夜子だろJK。


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