おるどれ
「どーれすーとくん」
聞きなれた声で名前を呼ばれ、髪を掻きながら振り返る。
「・・・なに?おるどさん」
「や、ねー。最近どれすとくん人気者だな、と思って」
カノジョでも出来るんじゃない?とぐいぐい押して茶化してくる。
「俺はそんな…、…そーゆーおるどさんこそ」
どうせ女のコに手ぇ出してるんでしょ、と言い返すが、何故か声が小さくなっていく。
なんでだ?と思いながら何か急に気まずくなって顔を伏せた。
「…そんなまさか、俺はどれすとくん一筋だからね」
「なッ・・・・あ、アンタいつまでそのキャラ通す気だよ!」
キャラ?とおるどが首をかしげる。
少し経って、ふふ、と小さい笑い声が聞こえてきた。
「素直な気持ちだよ。どれすとくんこそ、いつ答えてくれるの」
その言葉にばっと顔を上げると、ニヤついたおるどの顔が見えた。
「なっ何ニヤけてんだよ」
「いや、どれすとくんが可愛いから」
どれすとは更に赤面し、ありえんお前!と言いながら駆けていった。
「...本当に可愛いな、どれすとは」
そう呟き、おるどはどれすとの家へと歩き始めた。
前へ 次へ