「クソッ離せよ!」

完全に押さえつけられていて首や指の先ぐらいしか動かせない。

「はなっ・・・えぅッ!?」

俺は自分から出た妙な声の正体が分からず、一瞬「?」となったが、冷静になってみると服の中の、というか腹辺りに妙な感覚が・・・ちょっとまて。服ン中、まさぐる、なッ!

「ゃめ、ろッ!!」

空也に向かって叫ぶと、空也は一度ピタリと手を止めた。

「・・なにが?」
「えぇっ!?何がって・・服の中に手入れんなよ・・っ」

やっぱ変な奴だ、と思って隙を伺って逃げようと考えたが、空也は逆に油断していた俺の手を何故持っているのか分からないロープで縛り付けた。

「おまえっ・・・何やってんだ・・・」
「約束、無理矢理でも思い出させてやるよ。」
「は!?だから、わかんね、って、ぁ・・!?」

空也はさらに手を進め、胸の辺りを触ってくる。あいた左手は体の中心へと下がっていった。

「おっおぃ、ンッ・・・それは、おかしいだろ、どう考えてもッ!!うぁッ」
「・・・翔」

ベルトを外している音が下から聞こえ、さらにチャックをおろす音まで聞こえてきた。ま・・まさか、ズボン下ろすとかそういう、

「ちょっとまて!!それはないって!!!何やってんだよホントに!!」
「何って、ヤるためには下ろさないと」
「や、やるって何をだよッ!!」
「セックスに決まってるじゃん。なあ翔・・・」
「はあ!?何言ってんだよ!?」


俺にはコイツが危ない奴という事しか理解できなかった。









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