マイ・ダアリン


あぁ〜ふくれっ面の雷ちゃん可愛い…
現状にはそぐわないけれど、そう思った。
あーほっぺたぷにぷにしたい…
雷「ちょっと真面目に聞いてるの!!」
「あっハイ聞いてます」
ジャ「そんな怒らなくったっていーじゃーん!タミヤだよ?」
タ「そーだよ。いや、最後は聞き捨てなんねーよ。」
雷「もぅもぅ!!!!ジャイボったらゼラじゃないからって適当にあしらわないで頂戴!いくらタミヤでも嫉妬しちゃうのよ!!」
タ「おい。」
「だからごめんってば。あれは事故だったの、ねえタミヤ」
タ「そー。」
カ「それにタミヤ君は自分の彼女になるまで手は出さないよ!!」
ニ「…なんでカネダが知ってんだよ」
ニコが軽く引き気味で呟いた。
話は遡る。
光クラブにいく途中、私が転びそうになったところをタミヤが抱きとめてくれた。普通に抱きとめたわけではない。いや、抱きとめ方は普通なんだけど、イケメンがやると映画で運命の出会いを果たした時のワンシーンのような感じになるって事を今日知りました。
眼福です。
あまりのロマンチックさに人生の運を使い果たしたのではないか、と少し心配している。
だけど、私の彼氏は雷ちゃんだし、あわよくば私が雷ちゃんを抱きとめたい。
「いつでもウェルカムだよ雷ちゃん……!」
雷「なにがよ!私は本気で怒ってるのよー!」
本気で怒るのに、このメンバーはふさわしくない気がする。
基地近くのファミレスに集まったのは、光クラブの全メンバー(*ゼラを除く。)
ニコはやたら眩しそうにメニューをみてるし、ダフとカネダは可愛いウェイトレスにニヤニヤひそひそしている。
電卓はメニューを開いてなんなら目も見開いてブツブツ言ってて怖い。…なに計算してるの?楽しい??
まともに話に乗ってくるのは、修羅場好きなジャイボだけだ。
「ごめん。次からは気をつけるから、ね?」
雷ちゃんの顔を覗き込むと、うるうるしたおっきい目で睨まれた。かんわんいい〜。
タ「俺も悪かったよ。雷蔵の彼女だもんな。不用意になまえにくっつかないようにする」
タミヤも続けていうと、雷ちゃんはふいっと顔をそむけた。
雷「……違うのよ」
「え?」
雷「違うのよぉ!」
いきなり大声を出すから、私たちのテーブルはおろか、近くの席の人たちまでちらっとこっちを見た。
ジャイボは心底楽しそうにきゃはっと笑った。
「なんでさー。タミヤとのことじゃないの?」
雷「そうなんだけど…」
雷ちゃんはこっちを見てうぅーと顔を赤らめた。心臓爆死おめでとう。
無事お陀仏したことなんて顔には出せないから、根気よく雷ちゃんが話し出すのを待つ。
雷「……なまえが、かっこよくて可愛いから…!なまえが、他のひとと話してるの見るだけでも、嫉妬しちゃうし、不安になっちゃうのよ…」
「「「「…………………」」」」
かっんんんわあいいよぉおおお。
「大丈夫、わたし雷ちゃんだけだよ好きな人は。それに全然かっこよくもないし可愛くもないから!ね?」
ニ「まぁな。」
タ「長く一緒にいすぎてそんなもん感じねーよ(カネダダフこくこく)」
ジャ「なまえに負ける気しないよ!他の女にも絶対負けないけどね!!キャハッ」
デ「おそらくフェロモンの分泌が…」
「否定しろや」
でもなんとか雷ちゃんは元気になったようだ。
ふふっと笑っている。
あーよかった。この笑顔のためなら何でもできる。
雷「なまえ、ごめんなさいね」
「いーんだよ、私も悪かったし。」
雷「じゃあ、キスさせて頂戴!」
「「「「……へ?」」」」
まじかここ店んなかだよ
でも、雷ちゃんの満面の笑みが少しだけ不安そうになった瞬間、引くわけにはいかないと悟った。
「いーとも!」
雷ちゃんの手のひらが、私の頬を包む。
目を閉じると、周りが少しどよめいた。
いま雷ちゃんが超オスな顔してることなんて、私は知ーらない。これを見たタミヤに、カッコいいのはあんただけじゃないのよって雷ちゃんの素晴らしさを噛み締めてもらえたら、すごく嬉しい。
雷ちゃんの吐息をすぐそばで感じる。もうすぐだ。
ゼラ「なまえがタミヤに抱かれたと聞いて!!!!!!!!!!!!」
突如店内に駆け込んできたゼラは高らかに叫んだ。
カ「…チッ……空気読めよ」
((((カネダ!?!?!?))))



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