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「#エロ」のBL小説を読む
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自由時間はみょうじさんと過ごしてみよう。
「苗木くん、今日はなんだかいつも以上に良い匂いがするね」
「もしかして『イン・ビトロ・ローズ』かな?これ、みょうじさんにあげるよ」
「えっ、私にくれるの……?あっ、ありがとう!家宝にする……っ!」
ここまで喜んでもらえるとこっちまで嬉しくなるな!

「あのさ、苗木くんもしかして、好きな人いる?」
「えっ!?な、なんでそう思うの?」
「恋してる人の匂いがする……」
どんな匂いだ!?
ボクは思わず自分の腕に鼻を押しあてた。
「嘘だよ、冗談。もしかして本当に恋してた?」
「えっ、いや、してないよ!」
「そっかぁ、じゃあ私にもまだチャンスはあるのかな」
……え?
「あのね、私、昔から恋愛が成就したことないんだ。どうしてもペット感覚から抜けないのかなあ。好きな人に可愛がってもらえることはあるんだけど、好きとかそういうんじゃないみたいなんだよね」
「そうなんだ……」
「告白する勇気がないのもいけないんだけどね。ただ見てるだけで満足してたら、ある日好きな人から他の女の子の匂いがするようになって……とか。本人たちが直接一緒にいるのを見たわけじゃないのに、すごく想像できちゃって辛かったり」
う……それはいやかも。苦労してたんだなあ。
「見てるばっかだからダメなんだ!って思って告白してみたら『猫派だから』とかいう理由で振られるし。私は一生、恋なんてできないのかもって思っちゃったよ」
「そんなことないよ!」
「え?」
「みょうじさんは可愛いんだから、大丈夫だよ。きっといい恋愛できるはずだからさ、ここでやめちゃうのはもったいないよ!」
「……」
「みょうじさん?」
「苗木くんの可愛いって、どういう意味で?」
「そ、それはもちろん、女の子としてだよ!」
「ほんと?」
「嘘なんていわないよ」
「そっかぁ。……ねえ、苗木くん。私ね、ここから出たら苗木くんに伝えたいことがあるの。その時は聞いてくれる?」
「も、もちろんだよ。ボクでよかったら話きくよ!」
「嬉しい!……ありがとね、苗木くん」



通信簿
(5)ペット的な可愛さから抜け出せたためしがなく、恋愛には懲りていた。ここから出たら苗木に何か伝えるつもりらしい。


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