ここほれわんわん | ナノ
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「あっ、やっぱりー!苗木くんの匂いすると思ったんだよ〜」
ボクってそんなに匂うのかな……?
「心配しないで、すごくいい香りだよ。おいしそうな感じ」
それって大丈夫なのか……?
「そうだ、みょうじさん。モノモノマシーンで『無限タンポポ』が出てきたからあげるよ」
「え、くれるの?ありがとう〜!大切にするからねっ」
良かった。どうやら喜んでくれたみたいだ。

「ところでみょうじさん、この前の話の続きだけど」
「え?何か話してたっけ」
「なんでみょうじさんって猫が嫌いなの?勝手な偏見かもしれないけどさ、女子って可愛い生き物が好きなイメージあったから」
「……」
「あ、ごめん。この話は嫌だった?」
「ううん。……たいした理由じゃないから呆れられちゃうかもしれないんだけど」
「呆れたりしないよ」
「あのね、私、中学の時、好きだった人に勇気を出して告白したんだ。でも『ボク、猫派なんだよね』って振られちゃって……」
「え……」
「よく友人からも『なまえは犬っぽい』って言われてたんだよね。鼻が利くことだけじゃなくて性格も。あんまり自覚ないんだけど……。とにかく、それがその人の好みじゃなかったみたい。一時期は自分の犬みたいなところが嫌になっちゃって、希望ヶ峰学園の入学も辞めようと思ってたんだ」
たしかにみょうじさんは犬を彷彿とさせる性格かもしれない。だけど……そんな理由で告白を断るのは誠実じゃないな。
そうか、彼女はきっとその言葉がトラウマで猫が苦手になっちゃったんだな。
「まだ『嫌いだから付き合えない』って断られた方がずっとマシだったよ。犬や猫とおんなじくくりにされるとかワケわかんないし」
「そうだよね。みょうじさんはこんなにかわいい女の子なのに」
「えっ……!」
驚きに目を丸くする。しばらくの沈黙が流れ、何かまずいことを言ってしまったのではないかと不安になった途端、彼女が力を抜くように微笑んだ。
「ありがとう、苗木くんはほんとに優しいね!」
やっと笑ってくれた彼女にボクは心から安堵した。



通信簿
(4)猫派という理由で好きな人に振られた過去がある。それ以来、猫や猫派の人間に苦手意識を持つようになったようだ。


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