ここほれわんわん | ナノ
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自由時間はみょうじさんと過ごしてみよう。
「あ、この匂いは苗木くんだ〜」
「これモノモノマシーンで出たからみょうじさんにあげるよ」
「『華麗な王子様』だ……!いいの!?すぐに食べちゃうから後で返せって言われても返せないよ……?」
ここまで喜んでもらえるとこっちまで嬉しくなるな!

「あのさ、みょうじさんって生まれた時からそんなに鼻がよかったの?」
「そんなことないよ〜。むしろ悪かった方かなあ。腐ったご飯たべてよく死にかけてたし」
「……え?どういうこと?」
「私のお母さんがね、すごく料理下手なの。なんかもう食べれる部分があればラッキーみたいなレベルで」
「そんなに……?」
「そうそう。一番ひどかったのは青酸カリが入りこんじゃった時かな」
「死んじゃうじゃないか!」
「うん、危なかったね〜。小さい時だったら死んでたかもしれない。幸い今までの料理で鼻が鍛えられてたから、すぐにアーモンド臭に気づけたんだよ」
壮絶な過去だな……。彼女の嗅覚は、必要だったからこそ身についたのか。
「でもね、お母さんは女手一つで私を育ててくれたし、仕事がどんなに忙しくても私のために料理を欠かさないでくれたんだ。だから大好きなんだよ〜」
「そっか!いいお母さんだね」
「うん。……早く出て、家族に会いたいね。苗木くんも、家族が恋しい?」
「もちろんだよ。早くみんなでここを出ようね」
「うん!がんばろう!」
みょうじさんと仲良くなれた気がする。



通信簿
(2)母親の毒さえ混入するほど下手な料理を選別するため、自然と嗅覚が鋭くなった。女手一つで育ててくれた母親のことは慕っている。


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