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楽観的で能天気な女の子に振り回されるカルマ



「カルマ〜!カツアゲ釣り連れてってよ!!」
「やだよ。絶対足手まといじゃん」
「大丈夫!こう見えて強いよ!?この前弟に勝ったからね!」
〜一時間後〜
「こいつの命が惜しかったら動くな!」
「捕まっちゃった……てへっ☆」
「あ、もうそいつ好きにしていいんで」
「ごめんごめんごめん!助けて〜!」



「山いいよね。山、登ろう!」
「はぁ?山?」
「うん!一緒いこうよ」
「無理。寺坂でも誘えば」
「カルマと一緒がいいんじゃん。ね?ね?」
「はー、仕方ないな……」
〜当日〜
「カルマおっはよー!え……何!?ガチ装備じゃん!?」
「なんであんたジャージなの?しかもクロックス?」
「ランニングの時いつもこれなの」
「山なめてんの?……帰るよ」
「え!?登山は!?」
「死にに行くようなもんだから、それ」
「やだー!登山ー!登山したいー!」
「なんとかと煙は高いとこが好きっていうけど……まじか……」



「カルマえもーん、勉強教えて!」
「ゴロ悪いし。やだ」
「え〜!?一生のお願い!」
「あんたの一生、五度目なんだけど」
「数えてんの!?男のくせにケツの穴小さいな〜。教えてよ!」
「……………」
「ごめんごめん!冗談!お願いカルマ様、教えて!この問題なんだけど……」
「……こんなのも分かんないの?これはこうして、こうすんだよ」
「わっかりやす!ありがとー、じゃあね……ぐえっ」
「見返りは?」
「え〜、仕方ないな……じゃあ今日のパンツ超かわいいから見せてあげる!」
「目に毒だからやめて」
「イチゴ煮柄だよ?」
「……」←ちょっと気になってきた



「ぶえーくしょい!」
「女子力の欠片もないくしゃみすんなよ……」
「仕方ないじゃん。風邪ひいたの!」
「なんとかはひかないっていうのにね」
「馬鹿って言いたいの!?」
「良くわかったね。馬鹿のくせにやるじゃん」
「ほめらて喜べばいいのか、けなされて怒ればいいのか分かんないよ!」
「(馬鹿だ)」



「カルマ、聞いて!私、……浅野会長のことが好きになっちゃったの!」
「……はぁ?」
「カルマ会長と仲良いよね?協力してくんない?」
「ぜってーやだ。こんなバカな知り合いいると思われたくないし」
「またまた〜、そんなこと言って、最後にはなんやかんや協力してくれるんでしょ?……え?っておーい、カルマ!」
(無視)



「ねーカルマ」
「……」
「カルマー」
「……」
「カルマさんやーい」
「……カーディガン引っ張らないで」
「なんで無視?」
「お前がバカすぎてムカつくから」
「今に始まったことじゃないじゃん!」
「自覚あるんだ」
「……そんな紹介したくない?」
「うん」
「じゃあ、カルマがよそに出しても恥ずかしくないと思えるようなレディになるね!!見てて!」
「……馬鹿なの?」



「菅谷君、化粧おせーて」
「普通男に聞くことか?」
「だって全然わかんないんだもーん。今莉桜いないし」
「いーけど……化粧なんてしてどうすんだ?」
「会長に見合ういい女になるの」
「ブスがいくら化粧してもブスなのにね(ぼそ)」
「あ!?なんだとカルマ!私の美しさは国が傾くレベルだぞ!?」
「傾いてんのはあんたの脳みそでしょ」
「どういうことだ!?」
「……おーい、化粧どうすんだよー」



「陽菜乃〜、一緒に服選んでくれない?」
「急にどうしたの?デート?」
「そんな感じ」
「何が『そんな感じ』だよ。まだ知られてもいないのに」
「さっきから何?カルマうざっ。……そういうわけで陽菜乃、明日下着買いに行こう!」
「えっ下着?」
「うん、勝負下着欲しい」
「段階飛ばしすぎでしょ。馬鹿なの?」



「もー!さっきからなんなの!?カルマうざい!ハゲ!」
「誰がハゲだよ。そもそも俺、紹介する気ないし」
「え!?ひどい!弄んだのね!?」
「……」
「もーいいよ、そしたら会長の通学路で待ち伏せして、トーストくわえたまま体当たりするから!」
「古典的すぎ」
「何さ、いちゃもんばっかつけて……。……ははーん。さてはカルマ。嫉妬してるね?」
「!……は?何いってんの?」
「子離れが寂しい母親みたいな?安心してよ彼氏できても遊んでやるから――痛!痛っちょ、何!?いたたったたギブギブギブ」



※分裂の時間
「カルマも渚もすごかったね!めっちゃいい勝負だった!」
「……負けたけどね」
「え〜、何なに、凹んでるの!?私、見てて興奮したけどね!なんか男の熱い戦いっていうかさ、『私のために争わないでー』って割り込みたくなった!」
「あんたのためだよ」
「え?」
「あんたと生きたいから、地球壊されるわけにはいかない……って、思ったんだよ」
「あ、え?あ、うん!そうだよね、私もカルマと馬鹿してんの楽しいし」
「そうじゃない。あんたが会長のこと思ってるように、俺はあんたを思ってるっつってんの」
「えー!?まじー!?嘘!?嘘!?ホント!?え!?本気とかいてマジ!?」
「ほんと……冗談ならどれだけよかったか……」



「カカカカカカカカルマおはよ!!!」
「……おはよ」
「まままっまままままたね」
「……ちょっと待って」
「ひっ!」
「あのさ、そうやってあからさまに避けられるとキツイんだけど」
「えぅっささささけてなんかななななななないし!」
「わかりやすすぎ……。ていうか、いいよ。あれ、なし。告白なんてしてないから。今まで通りあんたはバカやってて」
「え……?いいの……?」
「(イラ)そんな露骨に安心しないでよ」
「ご、ごめん。でも、カルマと何も考えずにバカしてんのすごい楽しかったからさ。そんな風に思われてるって知ったらどんな顔していいか分からなくて……」
「だからってそんな態度とられると調子狂う。ていうかパンツだの勝負下着だの散々言ってたやつが今さらかまととぶるなよ」
「なっ……だってあれは!」
「ていうか、理由そこなんだ?」
「え?」
「『私は会長のこと好きだから』とか言うと思ってた」
「あ……。そういえば全然会長のこと思いつかなかった。ここ数日、ずっとカルマのことだけ考えてた」
「……へー。じゃあ、俺にもまだチャンスあるかもね?」
「っ、さーね!ていうか忘れていいって言ったじゃん!」
「やっぱ前言撤回。押せばいけそうだから押す」
「な、なにそれ……!」
「今までさんざん振り回されたから、今度は俺が振り回してやるよ。覚悟してね」

楽観的で能天気な女の子に振り回されるカルマ
……の逆襲編スタート!(しない)

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