妄想の墓場 | ナノ
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


140字まとめ



ツイッターでやった診断。キャラ名を入れるとお題が与えられるので、140字のSSを書くというもの。



 匪口結也『長く一緒にいた影響』

食事の最中、結也が無言で差し出した手をどうしていいか分からず握ったら振り払われた。
「醤油だよ、醤油!」
ああハイハイと手渡せば目玉焼きにかけながらぼやく。
「なんでこんなに一緒にいて分からないかな」
「そうだねぇ」
返された醤油を目玉焼きにかけながら、昔はソース派だったんだけどね、と呟く。



 匪口結也『愛する臆病』

喧嘩になったら結也が謝る。ごめん、悪かった、仲直りしよう。途端に喚いていた自分が子供に思えて恥ずかしくなる。悪いのは私なのにといつも後悔する。
「結也の馬鹿、嫌い」
辞表を持つ彼の背にすがるが、謝罪はない。何故正面からぶつかってきてくれないの。私は彼らみたいに簡単に離れたりしないよ。



 赤羽カルマ『誰にも渡さない』

「ごめん、カルマ、勉強したい」
誘いを断られ続けて苛立ちが募る。進学校だし、決して成績の良いわけじゃない彼女が必死になる理由はよく分かる。だけどそれでも傍にいたいし、一秒でも俺じゃない誰かのモノになっている事実が腹立たしい。誰にも渡したくない、君にさえも。だから俺は彼女の足を掴む。



 折原臨也『唯一の、嫌い』

人が好きだとのたまって、平気で静雄を排除する神経が気に食わない。高みの見物を決め込んで、人間を自分の玩具のように扱う理不尽さがいけ好かない。自分の犯した罪を理解していて、そのくせ許しを乞おうとしないところに腹が立つ。口にせず私を巻き込まないよう必死になっているのが、唯一の、嫌い。



 白澤『パスワードは2万通り』

「白澤様、好き」
「嬉しいなぁ」
「愛してる」
「僕もだよ」
「馬鹿」
「え!?まあ君の前じゃただの男に成り下がっちゃうもんね」
「私が特別?」
「もちろん、君だけしか見えてない」
「嘘つき」
「嘘じゃないよ、本当さ」
どの言葉も打てば響く。だけど違う、私が見つけたいのは、最後の鍵を開くパスワード。



 苗木誠『先着順』

今日も苗木君の眼差しは、女の子らしさが服を着たような舞園さんを追っている。
「恋愛が先着順ならいいのに」
誰よりも先に苗木くんの魅力に気づいた私なのに、彼の視線を奪えない。皆がお行儀よく並んでくれれば、私だって……。
「苗木と舞園ちゃんは同じ中学だったらしいぜ」
桑田君が言い、項垂れた。



 潮田渚『最近の発作です』

最近、渚君がふと違った顔を見せるようになった。不安になって抱きつくと「どうした?」と聞いてくる。すっかり普段通りに戻っているので安堵した。
「ただの発作」
誤魔化すように答えたら、彼はそれ以来私が甘える度にこの言葉を持ち出すようになった。
「また発作?」
「うん」
この病は治りそうにない。



 西丈一郎『いえない我儘』

「西は我慢が足りない」とお前が言う。万引きも、猫を殺すのも、人を排除するのも我慢しろと。お前は俺がどれだけ辛抱しているか知らない。お前が新しいトイレットペーパーを設置しなくても、風呂場に使い古しの絆創膏を置いたままにしても、平気で俺の前で着替えても、文句も言わずに堪えているのに。



 リヴァイ『こりないやつ』

明らかな好意を向けられて対応に困った。いなしても、けなしても、諦める気配もなく、距離を縮めようとする。堪えかねて迷惑だと突っぱねたら、哀れなぐらいに泣きじゃくってすがられ、ついハンカチを貸した。笑顔を浮かべた女に思い知った己の甘さ。背後に犬のように付き従う気配。こりないのは俺だ。



 十神白夜『吊り橋効果』

「吊り橋理論を知っているか?カナダの心理学者が1974年に発表した『生理・認知説の吊り橋実験』により実証されたとする学説だ。人は生理的に興奮している事で、自分が恋愛しているという事を認識するらしい」
「つまり?」
「俺がお前のような貧相な女に惹かれるのは殺し合い学園生活の弊害だ……」

140115