妄想の墓場 | ナノ
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デートで転ぶ彼女inダンガンロンパ



Case.苗木

「きゃっ!」
「あっ……大丈夫!?」
「う、うん。あー……めっちゃ恥ずかしいっ」
「気をつけてね……うわぁ!」
「わ……っ!な、苗木くん大丈夫!?」
「ご、ごめん!引っ張りあげるつもりだったんだ!」
「分かってるよ、大丈夫!むしろ巻き添えにしちゃってごめんね」
「ホントごめん。ボク情けないなぁ……」
「そんなことないよ〜!一人で転んじゃって恥ずかしかったから、苗木くんも一緒になってくれて、私なんだか救われちゃったよ!」
「そ、そうかな?」
「うん!」
「みょうじさん、ありがとうね」
「こちらこそ〜!」



Case.十神

「ぎゃァ!」
「……」
「ちょっと!ちょっとちょっと!」
「……なんだ?その芸はとうに廃れたと思ったが」
「ザ・タッチの真似じゃないから!てか十神くんそういうの知ってるんだ!?そうじゃなくてさ、彼女が転んだのに一瞥もせず歩き続けるのなんなの!?助け起こせとは言わないけど心配くらいしてくれていいじゃん!?」
「うるさいやつだ……」
「え、えええ……私たち付き合ってるんだよね……?」
「貴様の矮小な脳みそはそこから説明してやらないと理解できんのか?」
「…………ひ、ひどい」
「……チッ。いつまでそうしているつもりだ」
「や、やっと戻ってきた。だって十神くんが冷たいんだもん……」
「それとこれとなんの関係がある?いいからさっさと立て」
「分かってるよ!!い゛っ」
「どうした?」
「足くじいたみたい……」
「はぁ……」
「な、何さ。もういいよ、先帰ればいいじゃん……私なんて置いてさ」
「チッ……ほら」
「?……どうしたの十神。まさかここからうさぎ跳びで帰るの?」
「お前の察し悪さは深刻なレベルだな……背負ってやるから早くしろ」
「えっ?!と、十神どうしたの!?私、そんな……だって、重いし、転んだから汚れてるし……」
「……置いてかれたいのか?俺の気が変わらないうちにさっさとしろ!!」
「ハ、ハイ!」



Case.石丸

「ひぎゃっ」
「だ、大丈夫かッ!?」
「う、うん……はずかし〜」
「怪我はないか!?すぐに消毒しなければならんなッ!家に引き返そう!」
「えっ、いいよ。大丈夫、かすり傷だし……」
「かすり傷を侮ってはいかんぞ!歩くのが辛いなら僕が背負ってやろう」
「大丈夫だってば!そ、それに……」
「なんだ?」
「せっかくのデートなのに、そんな風に時間つぶしちゃったらもったいないもん……」
「むっ……確かに計画通りにデートが行えなくなるのは困るな……。よし、分かった。僕がそこの薬局屋で消毒液と絆創膏を買ってくるから君はここで待っていたまえ!すぐに戻るからデートにも差支えないぞ!心配するな!ハッハッハ」
「あ、ありがとう!石丸くん……!」



Case.狛枝

「……わっ!」
「ああ……大丈夫かい!?」
「いてて……うん、平気」
「ごめんね、きっとボクのせいだ。ボクのゴミみたいな能力のせいで君を傷つけてしまうなんて……死んでお詫びするくらいじゃ足りないよね、本当にごめん」
「いやいや何いってんの。ただのかすり傷だし、狛枝の能力は悪くないよ」
「でも、もしもボクが終里さんの能力を持っていたなら反射的に助けてあげることができただろうし、罪木さんの能力があったらすぐに適切な処置をしてあげられたよ。左右田くんだったら手負いの君を運ぶメカを作れるだろうし、今ここで君の隣にいるのがボクなんかじゃなかったら……」
「ちょっと狛枝うるさいよ」
「ごめん」
「そんなに卑屈にならないでよ。私が転んだのは慣れないヒールなんか履いてきたからで、あんたのせいじゃないから」
「……なまえは優しいね。たしかに、今日は珍しく踵の高い靴だ。どうかしたの?」
「いや、久しぶりのデートだったから、ちょっと……は、張り切っちゃって……」
「!!」
「でもやっぱこんなの私には合わないよね」
「そんなことないよ。とても似合ってる!」
「……ほんと?」
「嘘なんて言わないよ。ああ、こんな可愛いことを言ってもらえるなんてボクは幸運だなぁ……。そうか、君が転ぶという不幸はこのためにあったんだね。ありがとうなまえ!」
「う……うん?まぁ元気でたなら良かった」



Case.田中

「うぎゃっ」
「貴様……何をしている?」
「何って、転んだんだよっ」
「……本当に人間とは不便な生き物だな」
「はいはい。……ねえ、田中、助け起こしてよ」
「な、何故俺様が……」
「いいから!」
「フ、フン。致し方あるまい……弱き者を救うのもまた、強者の務めというわけか……」
「ありがとうー」
「……おい、貴様、いつまで俺様の手をにぎっている」
「え〜?だって田中がデートだっていうのに手も繋いでくれないからさ」
「謀ったな……!?」
「彼氏と彼女なんだから、これぐらいいーじゃない」
「おおおおお愚かな……!この高貴な俺様と、てっ、手をつなぐなど……!」
「田中、顔真っ赤〜。かわい〜」

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