▼ 新しい音と声がした
部屋でいつものように、マンガ読んでだらけていたら
「先生!」という声が、俺のドアの前から聞こえてきた
思い当たる節はあるものの、開けたくないという気持ちも生じていたら
それと同時に
もしこのまま開けなければ、また七面鳥の蒸し焼き娘に怒鳴られる気がしてドアを開けに行った
「まじできやがった」
こいつ、確か
「えっと」
「ジェノスです、サイタマ先生」
と察するように自己紹介をされた
「その先生ってやめてもらえる?」
「師匠!!」
「師匠もやめろ!!」
そんなやりとりをして、結局あのままのわけにもいかず
ジェノスを家にあげることした
「飲んだら帰れよ、弟子なんて募集してねぇし」
と伝えていると、コイツの怪我が治ってることに気づいた
昨日は確か腕とかもがれてたはずなんだが…
「あれ?おまえ怪我治ってね?」
「はい、体の大部分は機械なのでパーツさえあれば、すぐに」
「かわってんな、おまえ」
「先生はどのようなパーツを使っているのですか」
「使ってねぇよ」
俺は機械じゃねぇしななどと思っていたら、頭部の色について触れてきた
「いや、これ肌だから」
「しかし、それでは先生が若くしてハゲているということに…」
「ハゲてんだよ!なんなんだテメェは!」
と言い返すと、コイツは俺の話を聞いてくれるのかなどと言い出した、なんか面倒そうだし、そんなに興味なかったからいいと言ったら、おかまいなしに話してきやがった
話きかねぇなコイツ
まぁ、少しくらいなら聞くかとあきらめかけていたら、コイツの話は止まらなかった
途中で相槌打って終わらせようにも、話は留まることはなかった
俺の我慢は限界に達しようとしていた
そして、ついに俺は我慢できずジェノスを追い返した
「バカ野郎!二十字以内で簡潔にまとめてきやがれ!!」
そうジェノスに言い残し、俺はテレビの電源をつけ新しいニュースがないかを確認した
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