一撃男 | ナノ


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破壊した隕石をみながら俺は思った言葉を口に出した


「一件落着だな」





ジェノスの方に戻るとじーさんと二人でいた

ただジェノスの方は、もうあまり余裕がないのか



博士のラボみたいな所に帰り直してもらうようだ





俺は来た道を帰る






家でだらーとしていると外はすでに夜だった


ジェノスからの連絡はないが、恐らく今日の鍋は不参加だろうな



あいつ、けっこー楽しみにしてたのにな、などと思いながら


漫画を読んでいると、玄関からノック音がした



約束していた時間よりも早いが、七面鳥の蒸し焼き娘だった


両手はパンパンなビニール袋で埋まってる



「言ってくれりゃ買い物付き合ったのに」

「肉頼んでおいて、何言ってるんですか」

「こんなに買うなんて思ってなかったんだよ」

「ジェノスくんは成長期ですからね」

「あいつ、来年にはもう成人式の年齢だぞ」

「来年は来年ですから」




さっそく、七面鳥の蒸し焼き娘の買ってきた食材を冷蔵庫に入れる


結局、七面鳥の蒸し焼き娘と話し合った結果


鍋はジェノスが目覚めてからやろうと言う事にした

買ってきたもんで、チャーハンを作って食べ



テレビをつけていたら、ニュースチャンネルで

俺は隕石が解決したことを報道してるのを見てひと安心してる



お茶を飲みながらニュースを見てる七面鳥の蒸し焼き娘を見て

なんか喋るかと思い声をかける




「なぁ七面鳥の蒸し焼き娘」

「はい」

「せっかく買ってきたのに、ワリィな」

「………ジェノスくん生きてるんですか」



やっぱ、口には出さなかったが気になってはいたんだな



「まー自力で帰ったってことは、大丈夫だろ」

「…送っていけばいいじゃないですか」

「俺、あいつの家しらねーから」

「言い訳にしかきこえませんが」

「機械のことはわかんねぇんだよ」

「それは事実ですね」

「まぁ、おかゆぐらいなら食わせてもいい」

「無理やり食べらせたら咳き込みますよ」

「もうおまえ、俺にどうして欲しいんだよ」




こいつも、ジェノスのことを心配してんだなと思う


俺も隕石が落ちてきたら、生活や鍋、俺の日常を失くすから

それがいやで、ニュースみて駆けつけたんだけど



心配事が多いと、守るもんも多くなるな





隣でくつろぐ七面鳥の蒸し焼き娘を見やる


テレビ画面に釘付けになっている




まるで、何かを受け止められずに逃げてるようだった


それが、今のおまえが俺にくれた印象だ



「おまえさ」

「はい」

「泣きたいのを我慢してるのか」

「え」

「それとも」



怒ってるのか、と気まずく聞いてみると

七面鳥の蒸し焼き娘はわからないと返してきた



ぼそぼそと話し出す、隕石時にしたジェノスとの通話

自分を心配してくれて嬉しかったらしいが、それと同じくらい




悲しくなった




今にも泣き出そうな七面鳥の蒸し焼き娘にかける慰めの言葉なんて俺はもってねーし

そんなに器用じゃないのは自分でもわかる



いつか、こいつがくれた……逃げ道




おまえが使ってもいいんじゃないか





「ジェノスが帰ってきたら怒ってやれよ」



全部、全部あいつの責任にしちまおう



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