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リドルとアルビノくん


(名前を呼ぶことを許されてる男主の話)


「名前」
「…ん、」
「名前、朝食を食べ損なうよ」

ベッドで今だに寝息を立てている彼の顔にかかった髪の毛を手で梳く。アルビノの名前は、白に近いプラチナブロンドの髪の毛と赤い瞳をもつ。昔はそれを凄く気にしていたけど、今はそれほどでも無いようだ。

「………トム…?」
「おはよう、名前」
「ん…どうかした?なんか付いてる?」
「いいや、綺麗だなと思って」

言葉の意味が分からないのか、頭にクエスチョンマークを浮かべる名前に、着替えを促した。数分後、制服とローブを着込んだ名前がスッキリとした顔で帰ってきた。ビフォーアフターにくすりと笑って、大広間へ向かう。

「おはよう、どこに居てもお前たちは目立つな」
「アブ、おはよ」
「名前が目立ってるんだよ」
「ううん、トムだよ」
「いや、二人ともだからな。ちゃんと朝ご飯食べるんだぞ」
「OK、マム」
「誰がマムだ」

それから名前のベーコンしか乗っていない皿に苦言を呈して、彼は大広間から出て行った。気にせずベーコンを食べ続ける名前は結構な偏食だ。少しずつ直していかないと。

「トム、俺たちって目立ってんの?」
「…逆に今まで目立ってないつもりだったの?」
「おや、質問を質問で返すとは」
「おやじゃないよ…十分目立ってるだろうね」
「トムがかっこいいからだ」
「当たり前だね」
「君のそういうとこ好きだよ」
「僕は名前の顔が好き」
「褒めてんの?」
「うん」

わざとらしくニッコリと笑ってやると、一瞬顔を顰めたがすぐに諦めて食べかけのヨーグルトを口に運んだ。名前はしっかりしていそうに見えて、意外と怠惰な一面がある。本人曰く普段は表に出さないように気をつけているらしいが、僕から見ればたまにその悪いクセが出ているのが分かる。他の生徒との会話とか、特にね。「あ、今面倒になったな」って。

「今日は休みだし、帰ってチェスでもしよう」
「いいね」


20151010
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