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死柄木と指フェラ


「おい」

目を開いて真っ先に飛び込んだのが顔に手のひらを付けた男の姿だった。びびるわ。

「しがらきくん、おもい」
「うそつけ」
「まぁ、死柄木くん細っこいから軽いよな」

そういうと、ベッドに寝そべる俺の上に馬乗りになっている死柄木くんが、少しだけ力を掛けてきた気がする。あまり変わらないけど。ちゃんと食えよ。ていうか彼はなんでここに居るの?俺、寝込みを襲われちゃってるわけ?別にいいんだけどさ。

「死柄木くんはどうしたの」
「……暇なんだよ」
「黒霧さんに遊園地にでも連れて行ってもらいなよ」
「………」
「それか適当に人でも殺してきな…俺は眠いの」

どうやら構え、ということらしい。ツーンとしたり擦り寄ってきたり、猫みたいだな。お買い物、お菓子作りなどなど眠たい頭で考えた妥協案を提示するが、どれもお気に召さないらしい。それもそうか。お菓子を作ってる死柄木弔を想像したら少し面白い。どうやら俺の口角が少しばかり上がっているのに気が付いた死柄木くんは、黙って首を傾げた。

「それ、かわいい」

思ったままを言えば、なにを思ったのか死柄木くんは顔に付いている手のひらを外した。すると今まで隠れていた彼の表情が窺えるようになる。俺はこの顔がたまらなく好きだ。それは死柄木くんも知っていることで、つまり、どういうことだ。いつしか死柄木くんにどこが好きなんだと半ば呆れられつつ聞かれたことがある。どこがって、普段隠されてるものが晒されるって、すごくコーフンするだろ。

「そんなに構って欲しいの」
「ほんと生意気……」

するりと伸ばした右手で死柄木くんの頬を撫でる。そのまま下ろしていき親指が彼の唇を掠めた時、ぱくりと口に含まれた。あぁ、これは。生温かい舌が、まるで深いキスをしているときのように動いているのが分かる。そのまま口から離し、親指の付け根あたりにキスをする。一挙一動全てを見せびらかすように、死柄木くんは目を細めた。

「はぁ、死柄木くんってさ」
「……なんだよ」

解放された右手を、再び頬から下に向かって撫でるように動かす。今度はそのままゆっくりと首までやってきた。うわ、ほそ…。

「ほんと、えろいよね」
「おまえきもいなぁ」

あぁ、昨日シーツを変えたばかりなのに。

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