sss | ナノ

「めっちゃお腹すいた」
「名前さんいつもお腹すいてんじゃん」
「それは流石に言い過ぎじゃね?」
「そうっすか?」
「まぁいいや、ご飯食べに行こうよきみくん」
「……………きみくん?」
「…え、あっ!ご、ごめん、間違えた」
「えっ?あの、え?」
「いや、ほら、あだ名的な?きみひら的な?」
「ハァ!?」
「ごめんって!ごめん出水!別の人の名前呼びました!」
「きみくんってだれ」
「……ともだち」
「嘘でしょ」
「………元カレ」
「も、もも、もと、も、もとかれ」
「なんでそんなに吃るの?」
「か、過去の男とおれを間違えるなんてひどい!名前さんのばーーーか!!」
「アアッ!ごめんって出水!ちょっとどこに行くの!?」

・・・

「ってことがあったんだけど、出水どこに行ったか知らない?」
「知らねえよバカ」
「太刀川には言われたくない堂々の一位」
「あいつもあいつだけど、なんでお前が謝ってんだ?」
「なんか、謝らなくちゃって」
「名前は出水の恋人じゃねえだろ」
「……それも、そうだね…なんであんなに申し訳なくなったんだろ」
「いよいよ面倒くさいから言うけどさ、お前は出水こと好きなんだろ」
「好きだけど?」
「だから恋人になるならないっていう方の好きだよ、いい加減にしろ」
「…………なるほど」
「なるほどって」
「それなら、夏祭りの時のドキドキについての説明もつくと思って」
「冷静かよ」
「そうかぁ、私は出水が好きなのか」
「夜から任務なんだから、早くあいつのことどうにかして来いよ」
「うん!わかった!ありがとう太刀川!初めてお前に感謝したかもしれない!」
「失礼な……ていうかきみくんって、お前が高校の時に丸くて可愛いとか騒いでたただの太った現国教師だろ」
「それ言うのは恥ずかしくて」