sss | ナノ

「(お祭行こうって誘われたけど、どうせりんご飴が食べたいだけとかそんなんだろ)」
「出水〜、遅くなってごめん」
「別に今来たとこで……」
「イケメンの彼氏みたいな台詞」
「…浴衣、着てきたんですか」
「うん、せっかくのお祭りだからね」
「…まぁ良いんじゃないすか、夏だし」
「馬子にも衣装ってか!このやろ!」
「被害妄想激しいな!」
「ここに来る前に、本部で太刀川と二宮に浴衣の話したんだけど」
「…あぁ」
「あのカッコつけナルシスト、お前と並ぶ出水が可哀想だな(笑)って言ったんだぞ!?自分で言うのもなんだけど私ってそこまで見るに堪えない顔してないじゃん!ころす」
「どーどー、名前さん!あんたどんだけ二宮さん嫌いなんだよ!」
「あいつが私のこと嫌いなんだよ!」
「(うわー、ぜってえ二宮さん名前さんのこと好きじゃん)」
「…………かえる」
「え!?なんで」
「だって私って可愛くないし…むしろブスだし……隣に並ぶ出水が可哀想だし…二宮は殴らないと……」
「どこであんたのネガティヴスイッチが入ったんだよ」
「一緒に殴りに行くか」
「なんでだ!お祭り!行くんでしょう!」
「……行きたい」
「じゃあ行きますよ、ほら」
「うえーん、二宮許さないけど往復ビンタで我慢するね」
「十分過激派なんすけど」
「…射的やりたい!」
「あんた射的のセンス絶対ないからやめた方がいい!素直にたこ焼き食べて!」
「りんご飴も食べたい」
「ちょ、手引っ張んな!あ、名前さん…」
「ん?なぁに?」
「…浴衣、すごく似合ってる」


(S級女子ちゃんは自分に向けられてる感情をそのまま相手にも返すタイプなので、自分に懐いてる子は構い倒すし、喧嘩腰で来られるとその喧嘩を買っちゃうんです)