Short Story
幸せな小話達
ALL/降谷零/安室透
▼ 狸寝入り
Dec 25, 2022(Sun.) 22:44 /降谷零
スヤスヤ隣で寝息を立てる彼女をじっと見つめる。この同棲生活も既に半年は経ち、大分お互いに慣れてきた。が、しかし、相変わらずこの可愛い小悪魔には毎日ときめかされている。
「はー…今日も可愛い、好き」

ふたつ並んだ枕へ頬を落とし、彼女の寝顔をじっくりと見つめながら呟いた。 化粧っ気の無い、あどけなさの残る顔も相変わらず可愛い。
「…好き、愛してる。 あー…好きだなあ…」
ぽつりぽつりと呟くと、じわじわと彼女の耳が紅く染まるのを見逃さなかった。
(照れてる…)
俺はにやけそうになる頬を必死に抑え、彼女の首筋にキスをする。 ぴくりと肩を揺らした彼女に気付かないフリをして、朝食の支度をしに寝室を後にした。

▼ 心配
Dec 25, 2022(Sun.) 18:06 /降谷零
「じゃあ行ってくるね」
「あ、まって」
「なに?」
「これ着て。 肌寒くなるだろうから」
「ありがとう…でもこれ零のでしょ?自分のあるから大丈夫だよ?」
「…牽制」
「え?」
「俺のだからこそ意味があるんだ、似合うし…うん、可愛い、サイズは少し大きいけど、それはそれで」
「おーい、零クン??」
「本当に送ってかなくて良いのか?」
「うん、大丈夫! すぐそこで待ち合わせだから」
「何かあったら直ぐに電話してくれ」
「うん、そうする。 まあ何も無いと思うけど…」
「帰りは迎えに行くから連絡頂戴」
「オッケーオッケー」
「お酒、そんなに強くないんだから飲み過ぎないように」
「んも〜心配性なんだから」
「こんなに可愛いんだ、心配性にもなるだろ」
「そ、それは言い過ぎでしょ…」
「そんな事ない。 君はとっても綺麗で可愛い。 悪い虫が寄ってこないか毎日心配だ」
「そんな物好き、零くらいだよ」
「無自覚な所も可愛い」
「は?も、もう行くから!」
「ああ。 行ってらっしゃい…ん。」

▼ 相思相愛
Dec 23, 2022(Fri.) 10:15 /安室透
「あれ?今日はワンピースなんですね」
「あー…うん、チョットね…」
「それに…髪の毛はヘアサロンでセット、ですか?」
「う、ウン…」
「何時もはスニーカーなのに、今日はやけに高いヒール」
「…」
「合コンですね?」
「…正確には、合コンの予定『だった』だけど…」
「交友関係に口出しする権利はありませんが…想いを寄せる女性が合コンに行くのを見送らなければならないなんて、なんの拷問かと思いました…」
「誤解が!! 」
「おや、弁明が?」
「女友達との食事会だと思ってたの!! …さっき友達に連れ回されて…合コン用にセッティングされて…今に至りマス…」
「へえ」
「…実はこのままバックれようかと思っていて。 安室さん、良かったらこの後1杯付き合ってくれない?」
「えっ …勿論行きます! もう上がりなので少し待っていてください」
「あ、時間は余裕だしゆっくりで大丈夫!…それとね、私もなんの拷問かと思った、自分の想い人を残して合コンに行くなんて…えへへ、」
「…」
「あ、安室さん?」
「…可愛すぎませんか…? 良かった、合コンなんかに行かなくて…」

▼ 強いので!
Dec 23, 2022(Fri.) 10:14 /安室透
「あー…暑い…」
「…温度下げます? 他にお客さんもいないですし」
「あ、いや大丈夫!ちょっと走ってきたから、暑いの今だけだし…」
「走って? 何かあったんですか?」
「うん、ポアロに来る途中に変な人に追いかけられて…住宅街でクネクネ曲がりまくって巻いてきた!」
「えっ大丈夫でしたか? 変なことされませんでした?」
「大丈夫〜…ちょっと疲れたけど…」
「男の特徴は? どんな服装だったかとか覚えてます?」
「うーん、確か…こんな感じ…」
「流石漫画家さんですね! この紙貰ってもいいですか?」
「いいけど、どうして?」
「探します」
「えっ、いくら安室さんでもそれは」
「出来ます」
「いくら安室さんでも」
「この間も追い回されてませんでした? 被害にあってからでは遅いです、捕まえて懲らしめます」
「あ、危ないことは…」
「大丈夫ですよ、僕強いので!」

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