没 | ナノ

菅野夏樹


もう二週間も真冬に会っていない。
警視庁自体には訪れているみたいだけど、俺が外しているタイミングばかりで目撃報告だけされる。お互い忙しい職なのもわかっているし、がんばってる玲がすきだしきっと真冬もがんばってる俺のことがすきだと思う。
でも会いたいものは会いたい。
電話、出るかな。
出て欲しいな。
 なんて、かけたものの虚しいコール音だけが響いた。まぁ、もう日付も変わるし、仕方ないか。
なんて思いながら自宅のドアを開けた。
連日詰めてたから、部屋に干しっぱなしの洗濯物畳まなきゃなぁとか、冷蔵庫何か入っていたっけとかそんな事考えていた頭が一気に停止する。
男物の靴の中に、パンプスがきちんと踵を揃えて鎮座していた。
バタバタと部屋に駆け込むも電気は付いてない。手探りでスイッチを入れると、ベッドに膨らみがあった。
それが何かと確認する前に、ぎゅっとシーツごと抱きしめた。


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テーマ「人外ファンタジー」
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