午後に微睡む

規則正しい寝息を立ててソファで眠る彼にそっと近づき、その隣に腰をかける。手入れの行き届いた美しい銀色の髪に触れると、少しだけ彼が身動ぎをした。大丈夫、まだ起きていない。そのまま髪をひと掬い。慣れた手つきで緩い三つ編みにしていく。よし、完成。ふふっ、かわいくできた!


「可愛いなんざ、男の俺に言うもんじゃねェよ」


視界が反転。気づけば、いつの間にか目を覚ました彼の腕の中にいた。可愛いのはお前だけで十分だろ?そんな言葉とともに、わたしの身体は昼下がりのソファに沈んだ。



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bkm