24.


俺は自分をSだと自覚している。勿論、SM的な意味でだ!



「……、…不知火会長、気持ち悪い頭の中の声が洩れてます。思考に蓋をするか自分が蓋をされて下さい。」



「…、雛野。」



「何ですか?気持ち悪い会長。」



「………。颯斗。」



「なんですか?」



「雛野が凄く俺に対して冷たいんだが。」



「気のせいです。それより早く仕事して下さい。」



くそうっ!幾ら何でも冷たすぎるんじゃないかっ!?
あぁ、そうか。今流行りのツンデレと言うやつだな?成る程。雛野は今ツンなのか。お、ちょっと可愛く思えてきたぞ。

そう言えば、ツンデレはMだと何処かで聞いたな…
…あぁ。雛野はM、なのか。



「…颯斗君。」



「分かりました、深零さん。…会長、一曲聴いていただけますか?」



「は?え、ちょっ…」



何故か俺は後ろから雛野に羽交い締めの形でブロックされる。

颯斗の手には先程まで無かったミニ黒板。

嫌な予感しかしない。

まさかっ…



キキィー…



「ぐっあっ…止めろっ!!」



雛野も居るんだぞっ!?そう言おうとして後ろを振り向けば耳栓をして微笑む雛野の姿。



「…会長、誰がM、ですか?」



これでもか、って位真っ黒な笑顔。本能的に身の危険を感じた。捕食される側が捕食者に見つかった時の様な恐怖感。



「…すみません…でした…。」



「よし、颯斗君。コレ、埋め立てゴミだから。」



「分かりました、深零さん。」



「ちょ、待て!!コレって俺の事かっ!?そうなのかっ!?頼むからやめて下さいホントごめんなさいもう言いません!!」



「…だ、そうですが。どうします?」



「ねぇ、颯斗君。サッカーって昔、人間の頭蓋骨でやってたんだよ。


…私、サッカーしたいな。」



…あぁ神様。俺はとんでもなくSな後輩を生徒会に入れてしまったようです。








(私、不知火会長とは反発し合わないといけないって思ってたんです!)(…なんでだ。)(ほら、磁石の同じ極同士は反発し合うじゃないですか。)(不知火会長には私と似てる何かを感じたんです、気持ち悪いけど。)(…泣いて良いですか。)


Sと




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