26.

昼休み、食堂が生徒で溢れかえっているこの時間。
後ろからバタバタと走る音が聞こえる。
……あぁ、今日も来たのか…
さっさとパンを買って屋上庭園に行ってしまおう。
そう考えた矢先―――


「深零ーーー!!!!」


…来てしまった…


「なあなあ深零!今日は何を食べるのだ?俺にも分けてほしいのだ!」


「…えー翼君自分で買ってよ…っわ!」


ガバッと後ろから抱きついてくる翼。


「深零が食べてる物が、食べたい、のだ!」
「い、み、分からないし!!離れて!自分の身長考えて!お、も、い!!」


私が何を言おうと彼はぬはは、と笑って離れない。


「俺は深零と同じ物が食べたいのだ!」
「知、ら、な、いし!いや、ホント重いから離れてっ!あと先輩を呼び捨てし、な、い!!」


いや、翼君に深零先輩!とか呼ばれたら熱でもあるんじゃないか、って思うけどねっ!


「ぬぬぬー…深零は俺が、嫌いなのか…」


どうしたらその考えになるのよっ!


「いや、嫌いじゃ…ないけど!」
「じゃあ好きなんだな!」


…だからどうしたらその考えになるのよ!!




「俺も大好き、だ!」





そういって笑顔全開で再度抱きついてくる彼は


大型


(みたい。)




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