「世界は、私を中心にして、回っているのよ。」 いきなり何を言い出すんだこの子は、と思うのはこれで何度目か。数えるのは随分と前に止めてしまった。 「私を中心にして物事が動き、私を中心にして世の中が成り立っているの。」 そう、私無しでは世界は動かないの。ね?佐助、 そう嬉しそうに綺麗な笑みを浮かべる彼女を抱き寄せる。 「そうだね。深零ちゃんが、中心だね。」 …そう、最も中心に有って最もハズれている存在だよ。 そんな言葉を喉の奥に押し込めて耳許で愛を囁く。 「俺様の中心も、深零ちゃんだから。」 世界中心論 「当たり前でしょ?」 そう言って一層笑みを深める彼女から目が離せなかった。 |