「深零ちゃん!!深零ちゃん!!何やってるんだよ!!起きてよっ!!」



何度も何度も彼女の細い身体を揺する。
けれど、彼女の反応は無い。



「なんで、だよ!!」



悔しさが溢れ出て涙が頬を伝う。



その時、彼女の瞼が開いた。



「っ!!深零、ちゃん!!」



何かを伝えようとする彼女。
けれどその声は虫の息の様にか細く、何を言っているのか分からない。



なんとか聞き取ろうとして耳を近付ける。



「――――――――」



「…へ?」



途端、冷たくなり始める彼女の身体。



最期に残された言葉は一つ。



「っ、全く、深零ちゃんは…馬鹿…だよ…っ!!」



涙が止め処なく流れていく。



行き場を失ったこの感情。



「自分の、夢だけっ、叶えちゃって、さっ…!!俺様のっ、夢はっ、どうしてくれんのさっ…!!」



"俺様、いつか深零ちゃんの旦那になりたいな、"



「……っ、ば、か…」







夢、置いてかれた





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