――――クラクラする。

最近した席替えの所為でストレスが増える一方だった為、碌に眠れていなかった。

(あぁ、駄目だ。)

昔からストレスには弱かった。
しかし、その事を表面に出さない為、周りには気付いて貰えない。
溜まったストレスの捌け口など無いのでどうする事も出来ずにひたすら我慢。
我慢をし続けて倒れるのがいつもの流れ。

(高校入ってからは無かったから油断してたわ…)

クラクラする頭で必死に意識を繋ぎ止める。

(ちょと…マズいかも…)

長年の経験と言うべきか、倒れそうなると感覚的に分かる。

(取り敢えず保健室…行かないと…)

フラフラする足で歩き始めるが保健室までの距離は遠い。
辿り着く前に倒れたらシャレにならない。

(何で保健室が学校の端に、あるのよ…!!)

いくら頭がクラクラしていても悪態が出てくる自分に少し呆れた。

「あれー?深零ちゃんじゃん。どうしたの?こんな所で。」
後ろから声をかけられ振り向けば橙色の頭。

「なん…で…」

"ここに居るの?"その言葉が続かなかった。

視界がゆっくり暗転していく。世界の色が消えていくのが分かった。

急いで駆け寄ってくる橙の頭が何かを叫んでいるのが聞こえた気がした。

"深零ちゃんっ!!"






(暗転)


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