わたしの脚の下を生ぬるい風がビュンビュン通り抜けていく。その風で足場が揺れる度に心の奥底に仕舞った筈の恐怖心がどんどん肥大化していって、脚が竦んでしまう。一瞬で終わりにしたいのだけれども身体がそれを許さない。

一旦、戻ろうかと脚を浮かせた瞬間、今までに無かった様な強風が襲ってきた。

しまった、と思った時には既に遅かった。身体は地球の重力に従い、真っ逆さまに落ちていく。

だんだんと加速していく身体で思うは後悔ばかりだった。


空中を降りていく時間は意外にも短くて、すぐに身体がどすんと、衝撃と共に地面に当たった。柔らかい、地面に。……地面?


「ぐえっ」


……ぐえっ?閉じていた瞳をゆっくりと空けるとそこはまだ空中だった。

しかも、良く周りを見てみると景色が横に流れていく。縦に、ではなく、横に。


「……、は?」


しかも、柔らかい地面だと思っていたのは空を飛ぶ、人間?だった。


「痛いなあ…何なんですか、キミは」






そらで、であう






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