大きな戦になる。そう、幸村さまから言われていたので覚悟はしていた。覚悟はしていたけれども、やはり震えが止まらない。

この戦で幾度となく敵と刃を合わせた。けれども震えは酷くなってゆく一方だった。

ちらりと忍隊の長である佐助さまの方を見やると流石戦忍として名高いだけあって軽く私の倍の敵を倒していた。



しかし、見てしまった。



佐助さまから見て死角になるであろう場所から佐助さまを狙う者を。



佐助さまが、危ない。経験が、本能が、全身が、何より私自身がそう警告を鳴らす。考えるより先に体が佐助さまを庇うように動いた。

冷たい刃が私の身体を斬りつける瞬間、それはとても冷たい筈なのに熱かった。

薄れゆく意識の中で最後に見たのは普段は見れない、佐助さまの酷く動揺した顔だった。










震えは止まっていた。





( 貴方のために命を投げ出すことは罪ですか )




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