「佐助、そんなに泣かないで…」 「ううっ…無理っ…」 「…お願い、泣き止んで。」 「ふっ、無理ぃ…」 「あやまるからさ。」 「ゆ、許さないよ…」 「……そんなに嫌だったの? ホラー映画。」 「嫌、に決まってるじゃないか!」 「いや、何でも難なくこなす佐助に怖いものがあるだなんて面白くて…つい。」 「つい、で何で5本も見せるのさっ!?」 「だから面白くて…」 「人が怖がってるのを見て、楽しむなんてっ、最低っ…!鬼!悪魔!魔王!」 「はいはい。ごめんって…」 「ばかぁ…」 「……。」 「鬼畜っ…」 「……。」 「へんた、」 「よし、じゃあ私は帰るから。」 「…えっ」 「幸村くーん。お邪魔しましたぁー」 「ちょ、待って!」 「なぁに?」 「か…帰るの?」 「うん。」 「このままだと佐助の機嫌が悪化する一方だからね。」 「え、いや…」 「じゃ、ばいばい。」 「あーっ!!今日の夕飯はハンバーグだった!!」 「……。」 「確か、挽き肉が沢山あったんだよなぁ…。一人増えても全然大丈夫なくらい!」 「……。」 「誰か一人、夕飯食べて泊まっていかないかなぁ。」 「じゃ、お邪魔しました。」 「ストップ!ホントマジ泊まっていって下さい!!」 「泊まって欲しいなら最初からちゃんと言いなさい。」 「…はい。…泊まって下さい。」 「ん。よろしい。」 「うう…」 「それじゃ、今夜は寝かせないわよ?」 「えっ!?」 「DVDあと5本あるから。」 せめて思いっきり泣かせて下さい 「ちょ、なに本気で泣いてるのよ。」 「男としての期待を裏切られてショックなの!」 「なにそれ。」 |