squirrel 12
「すごいなぁ〜…、Gも灯してみてよ!」
「無理無理、これ凡人じゃ中々出来ないみたいだから。」
「なっ!」
「俺って実は超人?」
「キミは次元が違うよね。」
「……誉めてる?」
「まさか。」


このやろー言わせておけば。覚悟を炎、にな。
俺の覚悟ってなんだろう?覚悟…譲れないもの?違う、俺の場合は使命だ。俺の使命は、

――ジョットを支えること。


ぶわぁあっ!


「「「!!」」」


リングから沸き上がったのは赤い炎だ。


「す、すごい…!!」
「…ど、どーだアラウディ!見たか!!」
「ふん、大きければ良いって訳じゃないよ。」
「この減らず口め。」


しかし、すげぇ疲労感。


「あ、Gその炎でハート作れる?」
「は?」
「この炎焼けないし良い写真がとれると思うんだ!でも本当の火じゃ危ないからさぁ。」
「簡単に言いやがって。出したのすら今初めてなんだからハートなんて無理に決まってんだろ。」
「じゃあ一先ず諦めるか…。アラウディカメラ!」
「カメラは部屋の隅にあるじゃん。」
「どんなシチュエーションがいいかな。」
「炎を灯す必要性なくね?」
「甘いよG、もうすぐクリスマスじゃないか。エデンの浅葱とGの赤。クリスマスカラーだ!」


クソくだらねぇ。


「炎の回りに木を組んでエデンが躍り狂うのは?」
「キャンプファイアーか!」
「じゃあ、焚火。」
「ダメだよアラウディ!クリスマスっぽくないじゃん!」
「炎とクリスマスなんてクリスマスキャンドルしかないよ。」
「ん〜…じゃあこうしよう!炎バックに"打倒サンタ!"みたいな!」
「クリスマスじゃねーだろ!!」
「サンタごり押し…」
「はい、決定!!エデンー?」

つんつん、

「きゅ?」
「お昼寝中にごめんね。ジョットの甲に立ってうぉぉぉおおおってやってくれる?」
「キュッ?」
「写真取るんだとよ。」


それを聞いてリス子はああ、みたいな間をおいてのっそりと動きだした。まだ眠い、というより不機嫌な印象を受ける。

ひょいっとリス子を手の甲に乗せた。


「カメラスタンバイok!」


今更ながら何をやってるんだろう。


「さぁエデン、咆哮だよ!!バックに赤い光が現れるからね。」
「キュー。」
「はい、照明さんお願いしまーす。」
「はぁ……。」


覚悟を炎に。


ぼぉう――バチっ!!


「「「!!」」」
「キュウ?」

「今、反射された!?」
「も、もっかいやって!!」

バチっ!

「キュッ!」
「反射…されてる。」
「アラウディちょっとやってみて!」
「うん。」


しかし、アラウディのほのおはただゆらゆら揺れるだけ。ジョットも同じだった。



「赤い炎だけ反射…どうしてだろう。」
「……リスにはある逸話がある。それが原因かもしれない。」
「逸話?」
「古代ローマの博物学者プリニウスによると、リスは嵐がくるのを予知する能力があり嵐の風上側に巣穴の入り口がある場合は前もってふさぎ、新たに風下側に入り口を作るらしい。」
「……嵐と赤になんの関係があるんだ?」
「分からない。」

「へぇ、面白いエネルギーだな。確かに調べる価値がありそうだ。」


ニヤリと悪い顔をするジョット。久々にみたな、こーゆー顔。リス子は初めて見たようで固まっていた。同時に何が何だかよくわかってない様子。


「リス子、この赤や紫やオレンジの炎は覚悟が具象化したエネルギーの塊なんだ。」
「きゅ?」
「解らなくて当然だ、俺達だってよく分からないし。熱かったか?」


頭を横にふる。熱かった訳ではなさそうだ。


「ね、エデンもやってみたら!」
「は?リングだってねーんだぞ、つかリスに出来る訳ねーだろ。」
「いや、エデンは賢いリスだし、さっきの反射といい僕たちとは根本的に違う。やってみる価値はある。」
「エデンいいかな?」
「キュッ!」



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