Happy Helloween | ナノ


「えっ!?」


カイトがすんなりとポケットから出したのは二つの飴だった。まさかカイトからお菓子が出てくると思ってなかった私は思わず声をあげてしまう。……これ、本当に飴だよね?ついつい受け取らずにカイトの手のひらに乗ったままの飴をじろじろと見つめた。そんな私の態度にカイトは眉をひそめる。


「……これじゃ不満とか言うなよ」


きっとカイトはこれ以外持っていないんだろう。別にこれじゃダメだなんてそんな意地悪言わないけどさ。私は「違う違う!」と否定してカイトから飴をもらうとお礼を言った。


「いや、まさかカイトが用意してると思ってなかったからさ。こういうイベントってカイトいっつも興味なさ気だし」


イベントをことごとくスルーするカイトだからこそ今日のハロウィンでイタズラできると楽しみにしていた。なのにどうして今日に限ってカイトは参加してるんだ!内心でそう思いながら言えばどこか勝ち誇ったようなカイトの顔が目に入る。


「逆にお前はこういうイベントが大好きだから用意してたんだよ」


どうやら私の作戦はカイトにバレバレだったらしい。なるほど、それなら納得しちゃう…………わけがない!悔しくて「くっそ〜」と小さい声を漏らせば勝ち誇ったような顔(本日二回目)をいただいてしまった。覚えとけよ!!!

Happy Helloween!

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