Optimist | ナノ

試験会場はどこなのか誰も知るわけがなくて。



23



一度目はクロロ、二度目はイルミ、どうも私はあの町に運がないらしい。だから今回のハンター試験の申し込みはラウさんに頼んだ。二度あることは三度ある、そう、用心に越したことはないわけで。


「ラウさーん、スムーズに申し込めました?」
「ああ、申し込みはな。場所とかは自分でわかるんだろ?」


その一言にぴしりと固まる。ああ、そういえばそんなものもありましたね。試験会場のことなんてすっかり忘れてしまっていた。
ナビゲーターを探すしかほかないだろうが、問題はどうやってナビゲーターを探すか、ということだ。原作では船に乗った時点で試験が始まってたし、船長さんが一本杉を目指せと言ってた気がする。だけど生憎ここは船に乗るようなとこではないし、原作の10年前からあの夫婦はナビゲーターをやっているとは限らない。
私が黙ったせいか、ラウさんは何か感付いたように溜息をこぼした。


「場所わかってねーのにどうすんだ」
「…ははは、そのこと完璧に忘れちゃってて」


先程より深い溜息がラウさんからこぼれた。どうすんだ、なんて聞かれても試験会場は毎回変わっているのでどうしようもない。かといって原作まで10年も待ってたら時間が勿体なさすぎる。やはり自分で街に行って情報収集しないといけないだろうか。


「そういえばお前と同い年のやつが参加するらしいぞ」
「はい?」
「そいつ自体には合ってないけど代わりに申し込みに来たやつが17歳だって言ってたからお前と同い年だろ?」
「え、はい、え、どんな人とかって聞きました?」
「いんや、聞いてねぇ」


なんで大事なことを聞いてこないんだ!
同い年っていうのはかなり親近感が持てるというのに、特徴がわからなければ人見知りな私からすれば易々と話し掛けることもできない。いや、見た目でどうにか判断できる…か?だけどこっちの人たちは見た目と年齢が相反していない。ラウさんがいい例だろう。ああ、本当惜しいことをした。


「場所はなんとかなりますよ、ね?」
「俺に聞くなよ」


なんてつれない男なんだ…私のことを愛娘だと思って可愛がってくれればいいのに、とちょっと思ったが逆に怖くて遠慮したくなったのは私だけの秘密だ。


prev / next

[ back ]



「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -