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流星街で未成年とか関係ないでしょうが。



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結果、水でなくとも浮いた。そうなると残るのは空気と重力である。

空気にだって重さはあるわけで、空気は窒素と酸素の混合物で地球の重力に引かれて地球の表面に留まっている。よって、重力あっての空気、所謂大気というやつだ。だが空気あっての重力という考えは少し違う。そうなると空気と重力を同じように考えてはいけないので空気≒(ニアリーイコール)重力と考えるのが妥当かもしれない。
ああ、それなら空気よりは重力のほうが正解のような気がする。

しかしどちらにしても力が大きすぎる。というかそんなものを扱えるとなればかなりのチート能力。いや、強い念能力として使うならそれなりの制約と誓約が必要になってくるだろうが水見式に出た結果、物を浮かせる(その物体から重力を失くす)ことは特に誓約を必要とせず使えるかもしれない。


「ややこしいな…」


確かに私は空気になりたいとは言ったがそういった意味で言ったわけじゃない。むしろそんなややこしい能力ほしくないわ!
これは私のオーラが包むものは全て浮くという考えでいいのだろうか?正直どこまでの範囲で浮いてくれるのかは定かではないが、今の私のオーラの量だと人を包むのはまだ無理だ。放出系を強化すれば多少離れたものにも私のオーラを放出してぶつけるなりすれば浮いたりするのかもしれない。

軽くする(=重力を失くす)ことができるということはに重くする(=重力を増やす)ことも可能なはず。ただ単に練をしただけで軽重がはっきりされては私の念能力もばれてしまう。そのためにはほかの系統だと誤魔化せるような能力の作り方をしなくてはならない。…ややこしいができることは多そうだ。

ここまで考えるとどうもこれは操作系の類に入りそうなんだが、どうして特質系の反応が出たんだ?ま、操作系だとしたら葉が動くくらいだろうから今の考えまで辿り着くことはなかったかもしれないが。というかあそこまではっきりと反応がでたのだから私の念も悪くはないんだろう。

今の扱える候補としては重力が一番で、二番は空気といったとこだろうか。が、重力がなくとも空気は存在するわけだから、空気という選択肢はないものと思ったほうがいいかもしれない。

重力に関わらず別の能力もほしいな。念が使えるんだからいろんな漫画の能力も試せそうな気がするし。そこのとこはあとで能力系バトル漫画でも思い出して考えることにしよう。


「そうとなれば念修行をもっと頑張らないと」


念の方向性がなんとなく見えたのでなんとかなるだろう。そうこう考えてるうちに30分経ったのか、ラウさんが帰ってきた。


「おかえりなさーい」
「ん」


煙草を咥えてるせいか、短い返事しか返ってこなかった。


「ラウさん、一本」
「お前未成年だろ」
「そんな法律ここでは通用せぬ!」
「……」


元26歳だからセーフですよ、たぶん。とは、ラウさんには言わないがここで未成年なんて単語は通用しないのは本当だ。だからこういうときばかり使われても役に立たない。
渋々煙草を取り出すラウさんに満面の笑みをする。前の世界では仕事で疲れたときに煙草を吸っていたが、今の世界では今回が初めてだった。

世界は違えど、今も昔も何等変わりない味がした。


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